自治体向け「電子申請システム」を活用したDX事例5選&導入のコツも解説

本記事は、自治体向け「電子申請システム」を活用してDXを推進したい自治体担当職員の方にむけて、「電子申請システムを活用したDX事例」について紹介しています。

行政情報システム研究所の「行政デジタル化実態調査報告書」では、オンライン申請システム導入済みの自治体が9割を超えました。
クラウド型の電子申請やLINE連携サービスへと、活用の裾野は着実に広がっています。

自治体による「電子申請を活用したDX事例」の中でも、代表的なものは以下です。

  1. 登録なしで、住民がすぐ申請を始められるようになる
  2. 来庁せず、本人確認から支払いまでをLINEで完結できるようになる
  3. 必要な連絡をLINEで届け、手続きの遅れを防ぐ
  4. 個人情報を守りながら、安心して申請できる窓口をつくる
  5. 申請管理を一元化し、職員の事務を効率化する

以下、それぞれの活用法について詳しく解説していきます。

なお、下記記事で、解決した課題別に「課題設定~業者選定~導入~結果のプロセス」について詳細を紹介しています。

LINEアカウントで公的個人認証に対応した、スムーズに完結できる電子申請サービス、「スマート公共ラボ 電子申請」については、下記をご覧ください。

出典:一般社団法人行政情報システム研究所『「行政デジタル化実態調査報告書」から見える自治体DXの今と未来』(2025年6月号)

1.自治体の「電子申請」活用が広がっている背景

行政手続きは長らく、窓口や郵送による「紙の申請」が中心でした。

住民は開庁時間に合わせて来庁し、申請書に記入・捺印し、手数料を支払うために金融機関へ寄ることもあります。
平日の昼間に動きにくい人にとって、この一連の流れは決して軽い負担ではありません。

申請を受ける職員も、受付から内容確認、データ入力、集計までを手作業で担います。
件数が増えるほど負担は重くなり、確認漏れや転記ミスが発生する場合も。

このような理由から、住民と職員双方の負担を減らせる電子申請は、いま多くの自治体で活用が広がっています。

2.自治体の「電子申請」を活用したDX事例5選

ここでは代表的な5つの活用事例をご紹介します。

  1. 登録なしで、住民がすぐ申請を始められるようになる
  2. 来庁せず、本人確認から支払いまでをLINEで完結できるようになる
  3. 必要な連絡をLINEで届け、手続きの遅れを防ぐ
  4. 個人情報を守りながら、安心して申請できる窓口をつくる
  5. 申請管理を一元化し、職員の事務を効率化する

2-1.登録なしで、住民がすぐ申請を始められるようになる

電子申請サービスのなかには専用アプリのインストールや会員登録を求めるものもあります。
行政手続きは利用頻度が高くないため、「登録が面倒」「操作がわからない」と感じた時点で、利用をあきらめてしまう住民も少なくありません。

2-1-1.「電子申請」が解決できる課題

解決できる課題

登録やダウンロードの手間で、利用をあきらめる住民を減らしたい

電子申請なら住民が普段利用しているLINEから手続きを始められます。
自治体の公式LINEを友だち追加するだけで、各種申請や予約、イベント申込まで利用可能です。

最初のハードルが下がることで、電子申請そのものの利用拡大にもつながります。

2-1-2.導入事例

【徳島県阿波市の事例】

2023年9月の導入当初は月10件程度だった電子申請がわずか2か月で倍増し、住民票や戸籍謄本などの証明書交付申請のうち、約半数がLINE経由で申請されるようになりました。
子育て世帯向けアンケートでは約8割がLINEから回答し、「市役所に行く手間が省けて助かる」「郵送よりも格段に簡単」といった住民の声が多数届いています。

実際に導入した徳島県阿波市のインタビュー記事はこちらです。

2-2.来庁せず、本人確認から支払いまでをLINEで完結できるようになる

行政手続きには、本人確認のための来庁や書類提出を求められる場面がまだ数多くあります。
手数料の支払いも、窓口や金融機関に出向かなければならないことが少なくありません。

2-2-1.「電子申請」が解決できる課題

解決できる課題

本人確認や支払いのために、住民が何度も足を運ぶ手間をなくしたい

電子申請は公的個人認証サービス(JPKI)と連携し、マイナンバーカードによる本人確認をオンラインで完結できます。
他アプリのインストールが不要なので、新規登録せず、すぐ利用可能です。

例えば、

  • 住民票の写し
  • 戸籍謄本・抄本
  • 戸籍の附票
  • 除籍謄本・抄本
  • 所得課税・非課税証明書

上記のような公的書類の申請手続きが、LINEで申請できます。

さらにオンライン決済に対応しているので、クレジットカードやPayPayなどで交付料・送料・手数料が支払え、住民は窓口や金融機関へ出向かずに手続きが完了。

職員側も受付や入金確認にかかる手間を抑えられます。

2-2-2.導入事例

【佐賀県鹿島市の事例】

住民票・印鑑証明から水道関連まで幅広い手続きをLINEで完結できる環境を整え、リリースから1年半でLINEの友だち登録者数は市民の約40%に届きました。

2-3.必要な連絡をLINEで届け、手続きの遅れを防ぐ

電子申請を導入しても、住民への連絡が滞れば手続きは前に進みません。
不備の修正や追加書類のお願いが届かず、そのまま止まってしまうこともあります。
申請期限や予約日時を忘れたことによる問い合わせも、現場では珍しくありません。

2-3-1.「電子申請」が解決できる課題

解決できる課題

連絡の行き違いや確認漏れによる手続きの遅れを防ぎたい

公式LINEなら、トーク画面へ直接メッセージを送れます

例えば、

  • 申請受付完了通知
  • 申請内容の不備連絡
  • 追加書類の提出依頼
  • 手続き期限のリマインド
  • 予約日時のお知らせ
  • 審査結果や交付完了通知

などを送信することが可能です。

メールより通知に気づきやすいのも、LINEの強みです。
住民の確認漏れが減り、問い合わせも自然と少なくなります。
職員が一件ずつ電話をかける負担も軽くなるでしょう。

2-3-2.導入事例

【北海道安平町の事例】

電子申請と予約サービスを提供しています。
住民は申請や予約をLINEだけで終えられるうえ、必要な案内や通知も同じ画面で受け取れます。
行政と住民のやり取りをLINEに集約することで、コミュニケーションの窓口を一本化しました。

実際に導入した北海道安平町のインタビュー記事はこちらです。

2-4.個人情報を守りながら、安心して申請できる窓口をつくる

電子申請は氏名・住所・生年月日といった個人情報を扱います。
とりわけ給付金や子育て支援、各種証明書の申請は重要な情報を含むため、情報漏洩や不正アクセスへの備えが欠かせません。

2-4-1.「電子申請」が解決できる課題

解決できる課題

重要な個人情報を扱う申請を、安全な環境で受け付けたい

スマート公共ラボ 電子申請は行政専用のLGWAN回線を使い、職員は普段の業務端末から安全に処理を進められます

IPアドレスは制限され、通信データは暗号化され、申請データはLINEのサーバへ渡ることもありません。

住民が安心して利用できる環境は、行政サービスのデジタル化を支える土台になります。

2-4-2.導入事例

【福岡県大川市の事例】

スマート公共ラボ 電子申請の実証実験開始から2か月で申し込みは250件を超え、LINE経由の申請割合は96%に達しました。
夜間や休日など時間外の利用も約4割を占め、安全な基盤のうえで24時間365日受け付けられるデジタル窓口として稼働しています。

2-5.申請管理を一元化し、職員の事務を効率化する

紙の申請では、確認や集計、入力に多くの時間と手間がかかります。
件数が増えるほど職員の負担はふくらみ、確認漏れや転記ミスも起こりやすくなります。

2-5-1.「電子申請」が解決できる課題

解決できる課題

紙の申請にかかる確認・集計・入力の事務負担を軽くしたい

電子申請は申請データを管理画面に集約しているため、簡単に操作ができます。
内容の確認はもちろん、日時や申請種別、ステータス(未処理、処理中など)での絞り込みも自在です。

申請書や送付状の作成・印刷、CSV出力にも対応し、処理の履歴までたどれるため、対応状況を見渡しやすくなります

2-5-2.導入事例

【福岡県うきは市の事例】

各担当部署がイントラネットから申請内容を直接確認・管理できるため、部署間のやり取りが減り、迅速な対応を実現しました。
窓口の混雑緩和やペーパーレス化も推進されています。
さらにLINEで市民満足度調査を実施し、住民の声をサービス改善に反映できる体制も構築しました。

実際に導入した福岡県うきは市のインタビュー記事はこちらです。

【北海道当麻町の事例】

物価高騰対策のプレミアム商品券支給事業を電子申請化し、約2,500件の申請のうち約3割をLINEから受け付けました。
申請データを管理画面で一括して扱えるため、窓口での個別対応にかかっていた事務作業が縮小。
事務処理にかかる時間は、7週間から2週間へと縮まり、商品券の印刷を取りやめたことで事務費も約1/3に。
業務負担とコストをあわせて約70%の削減を実現しました。

「スマート公共ラボ」を導入した自治体一覧はこちらの記事でご紹介しています。

3.「電子申請」導入のコツ

「電子申請」の導入を成功させるためにおさえておきたい3つのコツを紹介します。

3-1.利用件数が多い手続きから始める

電子申請は利用件数が多く、効果を実感しやすい手続きから着手するのがおすすめです。

例えば給付金や子育て支援、各種証明書の交付申請などは、住民が手続きする機会が多く、電子化の手応えがつかみやすい。

電子化が進めば、申請受付や書類管理、データ入力にかかる職員の負担も軽くなります。
まずは小さく始め、運用実績を重ねながら対象を広げていきましょう

3-2.業務に応じて機能を選ぶ

必要な機能は、手続きの性質によって変わります。
本人確認が要る手続きには公的個人認証を、手数料が発生する手続きにはオンライン決済を組み合わせると効果的です。

受付完了やリマインド通知を使えば、住民とのやり取りもスムーズになります。
導入前に対象業務を整理し、どの機能が要るかを見極めておくことが運用を軌道にのせる近道です。

3-3.導入後の運用と改善を見据える

申請件数や利用率などを定期的に確認し、住民の利用状況に応じて改善することが重要です。
改善を重ねることで、より多くの住民に選ばれる「電子申請」サービスの実現につながるでしょう

プレイネクストラボの「スマート公共ラボ」は、友だち登録促進の支援や、年1回の利用者満足度調査、マンスリー数値レポートで活用状況を可視化し、改善を後押しします。
チャットによる問い合わせ対応や障害時の電話サポートなど、現場の運用も継続的に支えています。

これまで180以上の自治体・団体へ導入してきた経験をもとに、それぞれの状況にあった電子申請のかたちをご提案。
導入を検討中の自治体ご担当者さまはぜひお問い合わせください。

なお、下記記事で、解決した課題別に「課題設定~業者選定~導入~結果のプロセス」について詳細を紹介しています。


LINEアカウントで公的個人認証に対応した、スムーズに完結できる電子申請サービス、「スマート公共ラボ 電子申請」については、下記をご覧ください。