【詳細解説】自治体向け「LINE公式アカウント」導入事例集

本記事は、自治体向け「LINE公式アカウント」の導入を検討している自治体担当職員の方に向け、実際の導入事例に基づいて、導入機能別に「課題設定~業者選定~導入~結果のプロセス」について詳細を解説しています。

なお、自治体向け「LINE公式アカウント」活用の概要に関しては、下記記事で解説しています。

目次

1.兵庫県伊丹市がLINEの「セグメント配信」×「メール連携」機能を活用し、学級閉鎖情報を迅速に配信できた事例

導入自治体兵庫県伊丹市
特徴大阪市中心部から約10kmに位置する阪神間の中核市。古くは清酒発祥の地として知られる酒どころで、現在も酒造業やものづくり産業が根付く。2022年には「スマート庁舎」が開庁し、行政DXが進められている。
人口約19万5千人(令和8年5月1日現在)

1-1.解決したい課題・悩み

伊丹市では市立小・中学校や特別支援学校で学級閉鎖が発生するたび、保護者へいかに早く確実に知らせるかが課題でした。

従来は学校のアプリと教育委員会のメールマガジンで通知していましたが、メールは見落とされやすく、保護者からは「日常的に使うLINEで受け取りたい」という声が増えていました。

ただ、新しい配信手段を増やせば、その分だけ職員が原稿を作る手間も増えてしまいます。

既存のメールマガジンは残したまま、現場の負担を増やさずにLINE配信を実現することが求められていました。

<課題・悩み>

・学級閉鎖情報をLINEでも迅速に配信したい
・既存のメールマガジン運用は継続したい
・配信媒体を増やしても職員の業務負担は増やしたくない

1-2.「解決方法」と「導入業者」の選定基準・理由

伊丹市は、受信を希望する保護者だけに届ける「セグメント配信機能」と、既存のメールマガジンをLINEへ自動転送する「メール連携機能」を組み合わせて学級閉鎖情報を配信できる、「スマート公共ラボ for GovTechプログラム」を導入しました。

〈システム会社を選んだ基準〉

・既存のメールマガジンを廃止せず、LINEへ同時配信できること
・受信を希望する保護者のみに情報を届けられること
・職員の作業を増やさずに運用できること

1-3.導入サービスとその効果

伊丹市が学級閉鎖情報の配信を始めると、これまで全員に一律で送るしかなく埋もれがちだった情報が、受信を希望した保護者だけに届けられるようになりました。

従来どおりメールマガジンを作成すれば、同じ内容がそのままLINEにも自動で配信されます。
媒体は増えても原稿づくりは一度きりで済むため、「職員の作業を増やさずに運用したい」という希望も叶いました。

さらに、LINEの開封率から、情報がどれだけ届いたかも把握できます。

1-4.導入した感想

プログラムを導入した伊丹市のご担当者様からは、「職員の業務量に影響なく媒体を増やすことができました。開封率も取得でき、どれくらいの利用者に届いているかを把握できる点も大きなメリットです」とお言葉をいただきました。

導入後に実施した満足度調査では、保護者から「学級閉鎖の情報がLINEで届くのはありがたい」「利用頻度の高いLINEでリアルタイムに確認できて便利」といった声が寄せられました。

実際に導入した兵庫県伊丹市のインタビュー記事はこちらです。

2.鹿児島県伊仙町がLINEの「防災機能」を活用して台風・防災情報を住民にスピーディに配信できた事例

導入自治体鹿児島県伊仙町
特徴鹿児島県の徳之島に位置する町。世界一の長寿記録を持つ住民を輩出した「長寿の島」、台風が頻繁に上陸する台風常襲地帯でもある。近年はDX計画の策定を進め、奄美群島でのデジタル推進にも取り組んでいる。
人口約6千人(令和8年2月28日現在)

2-1.解決したい課題・悩み

台風常襲地帯の伊仙町にとって、防災情報をいかに早く確実に届けるかは住民の安全に直結する課題でした。

これまで広報誌・防災無線・ホームページを主な手段としてきましたが、防災無線は場所によって聞こえにくく、いざ台風が近づくと、「強風でアナウンスが聞き取れない」という声が住民から寄せられることも。

加えてホームページや広報誌だけでは、若い世代に情報が届きにくく、全住民へ確実に伝える新たな手段が求められていました。

<課題・悩み>

・防災無線が強風時や場所によって聞こえず、情報が届かない
・ホームページや広報誌だけでは若い世代に届きにくい
・防災情報を迅速かつ確実に全住民へ届けたい

2-2.「解決方法」と「導入業者」の選定基準・理由

伊仙町は住民に日常的に使われているLINEを活用することで情報発信を強化できないかと、複数のサービスを検討していました。
そのなかで選んだのが、防災無線とLINEを連動させ、防災情報を住民のスマートフォンへ同時に届けられる「スマート公共ラボ for GovTechプログラム」です。

〈システム会社を選んだ基準〉

・自治体に特化し、必要な機能が最初から揃っていること
・防災無線と連動してLINEでも発信できること
・小規模自治体でも導入しやすいコストと手厚いサポート体制があること

2-3.導入サービスとその効果

伊仙町が2023年からLINEの運用を始め、最初の夏に台風が接近した際、防災無線に加えてLINEでも防災情報を配信しました。
すると、これまで強風で聞き取れなかった避難情報や気象警報が、住民にしっかり届くようになったのです。

「LINEで防災無線が受け取れます」と呼びかけたことで友だち登録も一気に伸び、より多くの住民へ届く土台ができました。
防災無線とLINEを連動させたことで、一日に何度も無線とは別系統で配信していた職員の手間も省けています。

2-4.導入した感想

伊仙町役場のご担当者様からは、「防災無線だけでなくLINEでも防災情報を流したことで、住民に詳しい情報がしっかり伝わったと思います」「サポートもチャットツールで即座に対応していただけて、とても助かりました」とお言葉をいただきました。

住民からも「交通情報だけはよく見ている」「LINEですぐに確認できて便利」といった声があり、防災にとどまらず日常生活のツールとして定着しつつあります。

実際に導入した鹿児島県伊仙町のインタビュー記事はこちらです。

3.高知県宿毛市が暮らしの問い合わせ対応を「チャットボット機能」で自動化し、職員の負担を軽減した事例

導入自治体高知県宿毛市
特徴四国の西南端に位置し、温暖な気候と豊かな自然に恵まれた市。地域振興と脱炭素に取り組んでいる。自治体向け「LINE公式アカウント」を情報発信やチャットボット、ワクチン予約などに活用し、住民サービスのデジタル化にも積極的です。
人口約1万8千人(令和8年6月1日現在)

3-1.解決したい課題・悩み

宿毛市は住民から日々さまざまな問い合わせが寄せられ、その多くが電話や窓口に集中しがちでした。
受付時間や手続きの方法、各種制度に関する質問など、似た内容が繰り返し届くことも多く、その対応が職員の負担になっています。

メールマガジンやSNSなど複数の発信手段は持っていたものの、いずれも利用者数が伸び悩み、住民が自分で必要な情報にたどり着ける環境は十分といえません。
自治体向け「LINE公式アカウント」も取得済みでしたが、活用できていませんでした。

<課題・悩み>

・電話や窓口に同じ問い合わせが繰り返し寄せられる
・複数の発信手段を持つが、利用者数が伸びない
・住民が自分で情報にたどり着ける仕組みがない

3-2.「解決方法」と「導入業者」の選定基準・理由

宿毛市は住民の問い合わせに自動で答えられるチャットボット機能を導入したいと考えていました。
「スマート公共ラボ for GovTechプログラム」を選んだ理由はオープンソースをベースに安価に導入でき、実績が豊富だったからです。

〈システム会社を選んだ基準〉

・安価に機能を導入できること
・SNSとして普及率の高いLINEを活用できること
・自治体の広報ツールとして導入実績が豊富なこと

3-3.導入サービスとその効果

宿毛市がチャットボット機能を導入したことで、住民は知りたいことをLINEで質問すると、会話形式で自動で答えにたどり着けるようになりました。
これまで電話や窓口に頼るしかなかった問い合わせを、住民が自分のタイミングで時間を気にせず解決できます。

その結果、同じ内容の問い合わせ対応に追われていた職員の負担も和らいでいます。
特にLINEを使い慣れた若い世代には、電話よりも気軽に使える窓口として定着してきました。

3-4.導入した感想

宿毛市のご担当者様からは、「チャットボット機能は知りたい情報にすぐたどり着ける点が優れていて、特にLINEに慣れた若い方に向いています。問い合わせ対応の負担も軽くなりました」とお言葉をいただきました。

LINEが住民にとって身近な窓口になったことで、市からの情報も届きやすくなり、有力な発信ツールへと育っています。

実際に導入した高知県宿毛市のインタビュー記事はこちらです。

4.熊本県長洲町がLINEの「アンケート機能」を活用し、住民との双方向コミュニケーションを実現した事例

導入自治体熊本県長洲町
特徴有明海に面した自然豊かな町で、日本有数の金魚の産地として知られる「金魚のまち」。2021年にICT推進室を新設するなど、行政サービスのデジタル化に積極的に取り組んでいる。
人口約1万5千人(令和8年4月30日現在)

4-1.解決したい課題・悩み

長洲町は2020年から自治体向け「LINE公式アカウント」を運用していましたが、自治体から住民への一方向な発信が中心で、住民の意見やニーズを拾う機会が限られていました。
また配信が一律だったため、関心のない情報まで届いてブロックにつながることも課題でした。

アンケートやイベントの申込も、電話・メール・郵送が中心で、住民には回答の手間が、職員には集計・管理の負担が重くのしかかっています。

<課題・悩み>

・自治体からの一方向な発信が中心だった
・アンケートや申込が電話・メール・郵送中心で集計の工数が大きい
・住民がより手軽に参加できる仕組みを整えたかった

4-2.「解決方法」と「導入業者」の選定基準・理由

長洲町は住民とのコミュニケーションと利便性向上を軸に比較し、「スマート公共ラボ for GovTechプログラム」を導入することにしました。
LINEの配信メッセージから、そのままアンケート回答や申込を完結できるようにしたのです。

〈システム会社を選んだ基準〉

・住民と自治体が双方向でコミュニケーションを取れること
・アンケートや申し込み受付をLINE上で簡単に実施できること
・職員が専門知識なしで運用できること

4-3.導入サービスとその効果

長洲町がアンケートをLINEで実施すると、住民は届いたメッセージからその場で回答できるようになり、紙に記入して郵送する手間がなくなりました。
回答までのハードルが下がったことで、従来の電話・メール・郵送より回答が多く集まるケースも生まれています。

職員側も寄せられた回答をそのままデータとして集計・管理できるようになり、これまで手作業だった集計の負担が軽くなりました。
また住民の声が届きやすくなったことで、行政と住民の距離も縮まっています。

4-4.導入した感想

アンケート機能導入後、友だち登録者数が半年で約千人増え、住民からは「手軽に回答できる」「LINEで申し込みが完結して便利」といった声が寄せられました。
庁内でも関心が高まり、さまざまな部署で活用が広がっています。

実際に導入した熊本県長洲町のインタビュー記事はこちらです。

5.愛知県大府市が道路や公共施設の不具合を「通報機能」で受け付け、市民との距離を縮めた事例

導入自治体愛知県大府市
特徴名古屋に隣接し、製造業が盛んな地域を結ぶ交通の要衝。若い世代の流入が多く、県内でも高い合計特殊出生率を記録する活気ある市。2023年には自治体向け「LINE公式アカウント」をリニューアルし、通報機能やセグメント配信を導入するなど、行政DXを進めている。
人口約9万3千人(令和8年5月31日現在)

5-1.解決したい課題・悩み

大府市は2020年から市のLINE公式アカウントを運用していましたが、道路や公共施設の損傷に関する要望は電話・メール・窓口が中心。その場ですぐ伝えたいときでも書類の準備やメールの手間がかかり、市民にとっても職員にとっても負担になっていました。

<課題・悩み>

・損傷などの通報が電話・メール・窓口中心で手間がかかる
・市民が気軽に市政へ報告できる新たな手段が欲しい

5-2.「解決方法」と「導入業者」の選定基準・理由

大府市が求めていたのは、市民との接点を増やせる仕組みです。
その中で、市民が損傷個所を写真と位置情報付きで報告できる「通報機能」をLINEに導入できる「スマート公共ラボ for GovTechプログラム」を採用することにしました。

〈システム会社を選んだ基準〉

・道路や公共施設の損傷を市民が手軽に報告できること
・効率よくシステムを構築できること

5-3.導入サービスとその効果

大府市は通報機能を導入したことで、市民は道路の損傷や公共施設の不具合を写真と位置情報付きでその場から24時間報告できるようになりました。
これまで書類の準備やメールが必要だった通報も、スマートフォンひとつで完結。職員も現場に出向く前から状況を正確に把握でき、迅速な対応が可能になりました。

5-4.導入した感想

大府市のご担当者様からは「市民はリアルタイムに直面している問題を瞬時に伝えられ、行政も迅速に対応します。写真・位置情報付きで報告でき、紙の要望書に代わる手軽な方法として好評です」とお言葉をいただきました。

書類を用意する従来の手間がなくなったことで、市民は気軽に市へ声を届けられるようになり、市民と行政の距離はこれまでよりぐっと近づいています。

実際に導入した愛知県大府市のインタビュー記事はこちらです。

6.佐賀県鹿島市が確定申告相談の予約を「カレンダー予約機能」でオンライン化し、住民を来庁不要にできた事例

導入自治体佐賀県鹿島市
特徴有明海に面した佐賀県南西部の市。日本三大稲荷の一つ祐徳稲荷神社や酒蔵が立ち並ぶ酒どころとして知られる。スマートフォン一つで手続きが完結する「てのひら市役所」を掲げ、行政手続きのデジタル化を進めている。
人口約2万7千人(令和8年5月31日現在)

6-1.解決したい課題・悩み

確定申告の時期になると、鹿島市は申告相談の予約のために市民が来庁し、職員も窓口で都度対応に追われます。
窓口や電話での予約受付、来庁による整理券の配布などが重なり、繁忙期には対応の手間が大きく膨らんでいました。

市民にとっても平日に市役所まで足を運んで予約するのは負担が大きく、双方にとって改善が望まれる業務でした。

<課題・悩み>

・確定申告予約のために市民が必ず来庁する必要があった
・職員が窓口で都度対応し、業務が煩雑だった
・繁忙期に窓口・電話対応の工数が増えていた

6-2.「解決方法」と「導入業者」の選定基準・理由

「てのひら市役所」の実現を掲げる鹿島市は、税務課からの業務改善要望をきっかけに、LINEのカレンダーから希望日時を選んで確定申告相談を予約できる方法を検討していました。
そのなかで以下の基準を満たしているのが、「スマート公共ラボ for GovTechプログラム」でした。

〈システム会社を選んだ基準〉

・住民はアカウントの登録不要。日時を選ぶだけで、確定申告の予約ができること
・予約完了や前日リマインド通知を自動で送れること
・職員が専門知識なしで予約枠を作成・管理できること

6-3.導入サービスとその効果

鹿島市が確定申告相談の予約をLINEで受け付けたところ、市民は来庁せずに自宅から日時を確定できるようになりました。
待ち時間もなく、24時間いつでも予約できます。

2025年の申告時には約28%の住民がLINEから予約し、利用者の約89%が「満足」「やや満足」と回答しました。

職員側もこれまで窓口対応に費やしていた時間を減らせたうえ、予約状況を管理画面で一元的に把握でき、問い合わせ対応や窓口の混雑緩和にもつながっています。

6-4.導入した感想

鹿島市のご担当者様からは、「市民からは、『市役所へ行く手間がなくなって良かった』、『日頃使うLINEで自宅から簡単に手続きできて便利』と好評。窓口対応の時間削減と混雑緩和につながり、予約管理の一元化で問い合わせ対応も効率化できました」とお言葉をいただきました。

税務課の好事例を他部署の予約業務へ広げていく動きも始まっています。

実際に導入した佐賀県鹿島市のインタビュー記事はこちらです。

なお、自治体向け「LINE公式アカウント」活用の概要に関しては、下記記事で解説しています。

自治体向け「LINE公式アカウント」を拡張した「スマート公共ラボ for GovTechプログラム」については、下記をご覧ください。

お問い合わせは無料で対応しております。