
近年、秋田県内ではクマの出没に関する情報発信の重要性が高まっています。県民の安全確保の観点から、迅速かつ確実に情報を届ける手段の整備が求められてきました。
秋田県庁では、クマ出没情報をLINEで受け取れる仕組みとして、スマート公共ラボの「外部配信連携」機能を活用。クマ出没情報をLINEでも受信できる体制を構築し、県民への情報到達率向上と利便性向上を実現しています。
本記事では、秋田県庁の取り組みとその仕組みについてご紹介します。
目次
■秋田県庁の取り組み
クマ出没情報をLINEでも受信可能に
秋田県では、より多くの県民にクマ出没情報を迅速に届けるため、LINE公式アカウントと連携した情報提供を開始しました。
外部配信連携(メール転送)機能を活用することで、クマ出没情報をメールとLINEの両方で受信できるようにし、日常的に利用されるLINE上で安全情報を受け取れる環境を整備しています。



この取り組みにより、
- LINE友だち数
約11,000人 → 25,000人(約2.3倍増) - クマ情報の受信設定数
約4,000件 → 16,000件(約4倍増)
と、大幅な利用者増加が見られました。
特に、クマ被害が相次いだ時期においては、SNS上での口コミ等をきっかけにLINE登録者が増加し、安全情報の受信手段としてLINEの活用が進みました。
■外部配信連携の仕組み
クマ出没情報をLINEへ自動連携

外部配信連携機能では、自治体が既に運用しているメール配信サービスの内容を、LINEへ自動転送することができます。
今回の秋田県庁の事例では、クマ出没情報をLINEへ自動連携し、県民はLINEのトーク画面から情報を受信できます。
管理画面での設定方法(運用イメージ)
管理画面では、以下の手順で設定が可能です。
- 転送用メールアドレスを発行
- 外部メール配信システムからそのアドレスへ転送設定
- 配信対象カテゴリを指定
- 件名・本文のキーワード条件を設定
- 振り分け設定のテスト確認

次に、メールの振り分け設定。メールのタイトルや本文に含まれる「エリア情報」「日時」「クマ」「出没」「注意」などのキーワードを条件にLINE配信対象を自動振り分けることが可能です。

また、配信実績を記録ログから確認できます。

自治体向けに設計された管理画面のため、シンプルな操作で配信設定ができ、専門的なシステム知識がなくても運用可能です。
■秋田県庁ご担当者様へのインタビュー
本取り組みについて、秋田県庁ご担当者様へお話を伺いました。
ー実際に運用してみて、県民の皆さまからはどのような反響がありましたか。クマ出没情報をLINEで受け取れるようになったことに対する声や、安全対策への意識の変化などがあれば教えてください。
秋田県庁:「想像以上の頻度で通知が来ることで、事態の深刻さを肌で感じた」という声が多く、単に「クマに注意」と呼びかけるよりも、「自分の住む地域で1時間に○件の目撃がある」というリアルな数字と頻度が、県民の皆さまにとって「自分事」として安全対策を講じる強力な動機付けになっていると感じます。
ー庁内職員の皆さまから見て、運用面での効果はいかがでしょうか。業務負担の変化や情報発信のしやすさ、従来のメール配信との違いについて感じている点をお聞かせください。
秋田県庁:ツキノワグマ等情報マップシステム「クマダス」(以下「クマダス」)と県公式LINEを外部配信連携させたことで、クマダスへの出没情報のデータ登録から配信までが自動化されました。通常のSNS配信のように手動で投稿文を作成し、配信ボタンを押す手間が省けたことは、緊急時の対応が多い職員にとって大きなメリットです。また、地域指定(市町村単位)を可能にしたことで、ユーザーが欲しい情報を絞り込めるようにしています。この仕組みが、ブロックを防ぎ、継続的な利用につながっていると感じています。
ー今回の取り組みを通じて、「LINEでの情報発信はこうした分野に有効だった」と感じた点があれば教えてください。
秋田県庁:クマの出没情報は、その日の行動(買い物、ゴミ出し、子どもの送迎、農作業など)に影響し、生活に直結する極めて重要な情報です。これを、多くの人が日常的に利用し、かつプッシュ通知で即座に気づくことができるLINEで発信したことが有効だったと感じています。
■まとめ
秋田県庁では、外部配信連携機能を活用することで、クマ出没情報をLINEでも受信できる環境を整備しました。
特にクマ出没情報のような「迅速性」「確実性」が求められる情報において、
- LINE登録者の増加
- 受信設定の大幅増加
- 情報到達率の向上
といった効果が見られています。
既存の情報発信手段を置き換えるのではなく、LINEと組み合わせることで到達率を高める運用は、今後の自治体情報発信における有効な手法の一つといえます。
秋田県庁の事例は、安全・安心に関わる情報を日常的に使われるLINEへ届けることで、県民の行動につながる情報発信を実現した取り組みといえるでしょう。



