【詳細解説】自治体の「電子申請」導入事例集

本記事は、「電子申請」の導入を検討している自治体担当職員の方に向け、実際の導入事例に基づいて、解決した課題別に「課題設定~業者選定~導入~結果のプロセス」について詳細を解説しています。

なお、自治体の「電子申請」活用の概要に関しては、下記記事で解説しています。

LINEアカウントで公的個人認証に対応した、スムーズに完結する電子申請サービス、「スマート公共ラボ 電子申請」については、下記をご覧ください。

1.徳島県阿波市が「登録不要で住民がすぐに手続きを始められる窓口を整えた」事例

導入自治体徳島県阿波市
特徴徳島県中央北部に位置し、国の天然記念物「阿波の土柱」で知られる農業のまちで、LINEを活用した電子申請など、行政手続きのDXに力を入れている。
人口約3万3千人(令和8年4月30日現在)

1-1.解決したい課題・悩み

阿波市では住民票や戸籍謄本などの証明書の交付申請を、多くの住民が窓口や郵送で行なっていました。

電子申請サービスのなかには専用アプリのインストールや会員登録を前提とするものもありますが、行政手続きはそもそも利用する機会が多くありません。

「登録が面倒」「操作がわからない」と感じた時点で、利用をあきらめてしまう住民も少なくありませんでした。

誰でも迷わず始められるよう、入口のハードルを下げることが求められていました。

<課題・悩み>

・証明書交付などの手続きが窓口・郵送中心になっている
・専用アプリの登録や操作の手間で、利用をあきらめる住民がいる
・はじめての人でも迷わず始められる入口をつくりたい

1-2.「解決方法」と「導入業者」の選定基準・理由

阿波市が着目したのは、住民が普段から使い慣れているLINEでした。

公式アカウントを友だち追加するだけで申請を始められれば、登録や操作の壁をこえやすくなります。

そこで、各種申請や予約、イベント申し込みまでを一つの窓口で扱えるスマート公共ラボを導入することにしました。

〈システム会社を選んだ基準〉

・住民が会員登録やアプリのインストールなしで使いはじめられること
・申請・予約・イベント申し込みを同じLINE上でまとめて扱えること
・職員が専門知識なしで運用できること

1-3.導入サービスとその効果

LINEから手続きを始められるようにしたことで、住民は友だち追加だけで証明書の交付申請に進めるようになりました。

2023年9月の導入当初は月10件ほどだった電子申請は、わずか2か月で倍増
住民票や戸籍謄本などの交付申請では、約半数がLINE経由で寄せられるまでになりました。

子育て世帯向けのアンケートでも約8割がLINEから回答しており、登録不要で始められる手軽さが、申請以外の場面でも住民の参加を後押ししています。

1-4.導入した感想

阿波市のご担当者様からは、「申請される方の多くは県外在住者で、簡単かつ気軽に手続きできる点がこうしたニーズに合致し、申請者数の増加につながっています」とお言葉をいただきました。

住民からは、「市役所に行く手間が省けて助かる」「郵送よりも格段に簡単」といった声が多数寄せられています。

実際に導入した徳島県阿波市のインタビュー記事はこちらです。

2.佐賀県鹿島市が「本人確認から支払いまでをLINEで完結できるようにした」事例

導入自治体佐賀県鹿島市
特徴佐賀県南西部に位置し、祐徳稲荷神社や温泉地として知られるまち。市長が掲げる「てのひら市役所」の構想のもと、住民に身近なLINEを行政のデジタル窓口とするDXを進めている。
人口約2万7千人(令和8年5月31日現在)

2-1.解決したい課題・悩み

鹿島市では行政手続きが開庁時間内に限られ、共働き世代を中心に「手続きの時間が取りにくい」という声があがっていました。

申請書への記入や押印など、紙書類の煩雑さも住民の負担になります。

職員側も問い合わせ対応や申請書のチェック、入力作業の手間がかかり、紙で申請する流れは住民・職員双方の負担になっていました。

<課題・悩み>

・開庁時間にしか手続きできず、共働き世代などの負担が大きい
・記入・押印など紙書類のやり取りが住民・職員双方の手間になっている
・限られた人員でも運用できる手厚いサポート体制がある

2-2.「解決方法」と「導入業者」の選定基準・理由

鹿島市はLINEをデジタル窓口として活かせれば、限られた人員でも行政サービスを維持・向上できると考え、公的個人認証(JPKI)をLINE上で完結できるスマート公共ラボを導入することにしました

〈システム会社を選んだ基準〉

・公的個人認証による本人確認やセグメント配信など機能が充実していること
・将来的に行政サービスの入口をLINEへ一本化できる拡張性があること
・限られた人員でも運用できる、手厚いサポート体制があること

2-3.導入サービスとその効果

鹿島市は、住民票や証明書の交付申請、手数料の支払いまでをLINE上で完結できる環境を整えました。
来庁や書類提出などの負担が減り、リリースから約1年半で友だち登録者数は1万1,300人に達し、市民の約4割がLINEでつながる窓口へ成長しています。

職員側も手間のかかっていた手続きがLINEに移り、確認や対応の負担が軽くなりました。

2-4.導入した感想

鹿島市のご担当者様からは、「郵便請求などは職員の負担が大きかったので、それと比較するとLINEの方が断然楽になった」とのお言葉をいただきました。

管理画面はLGWAN環境の業務用端末から利用でき、「分かりやすい構成でストレスなく運用できている」と事務面での手応えも語られました。

住民からも休日や時間外に電子申請ができ、散らばっていたサービスの入口がLINEに集まったことで「使いやすくなった」という声が寄せられています。


実際に導入した佐賀県鹿島市のレポート記事はこちらです。

3.北海道安平町が「必要な連絡をLINEで届けて手続きの遅れを防いだ」事例

導入自治体北海道安平町
特徴新千歳空港から車で約20分、北海道の玄関口に位置する国内有数の馬産地。地域放送「あびらチャンネル」やDX推進計画のもと、「便利で快適に暮らせるまち」を目指して行政のDXを進めている。
人口約7千人(令和8年5月31日現在)

3-1.解決したい課題・悩み

安平町では、不備の連絡や追加書類のお願いを住民にメールや郵送で送っても見落とされ、申請が止まったり、期限切れによる問い合わせに悩んでいました。

連絡が届かなければ手続きが進まないため、住民が確実に気づける連絡手段が必要でした。

<課題・悩み>

・メールや郵送では連絡に気づいてもらえず、手続きが途中で止まってしまう
・不備連絡や追加書類の依頼が住民に気づかれにくい
・期限や予約日時の失念による問い合わせが発生する

3-2.「解決方法」と「導入業者」の選定基準・理由

安平町は、申請の受付と住民への連絡を、同じ場所でつなげたいと考え、申請・予約から各種通知までを、公式LINEのトーク画面で完結できるスマート公共ラボを導入。行政と住民のやり取りをLINEに集約しました。

〈システム会社を選んだ基準〉

・申請受付から通知までを同じLINE上で完結できること
・受付完了やリマインドなどの連絡を自動で送れること
・住民との窓口を一本化できること

3-3.導入サービスとその効果

安平町が電子申請と予約サービスをLINEで提供し始めると、住民は申請も予約もLINEだけで終えられるようになりました。
申請受付の完了通知や不備の連絡、追加書類の依頼、手続き期限のリマインド、予約日時のお知らせなども、同じトーク画面に届きます。

メールより通知に気づきやすいため、確認漏れによる手続きの遅れが起きにくくなりました。
行政と住民のやり取りをLINEに集約したことで、問い合わせの窓口も一本化されています。

3-4.導入した感想

北海道安平町のご担当者様は、「自宅などから時間や場所を問わず申請・納付が可能になり、行政窓口での対応が必要だった戸籍関係の交付手続きをデジタル化することで、住民サービスが向上できた」とのお言葉をいただきました。

住民は申請から通知の確認までを一つの画面で完結でき、職員も連絡のたびに電話をかける負担が和らいでいます。

実際に導入した北海道安平町のインタビュー記事はこちらです。

4.福岡県大川市が「個人情報を守りながら安心して使えるデジタル窓口を整えた」事例

導入自治体福岡県大川市
特徴福岡県南西部、筑後川の河口に位置し、家具の生産高日本一を誇る「家具のまち」。令和5年に庁内でDXチームを発足し、外部企業とも連携しながら「行かない・書かない市役所」を掲げた行政DXを進めている。
人口約3万人(令和8年5月31日現在)

4-1.解決したい課題・悩み

大川市では給付金の申請や証明書の取得といった手続きのたびに、来庁すれば窓口の待ち時間が長く、郵送でのやり取りにも時間がかかっていました。
そこで、住民が自宅やスマホからでも申請できるよう、手続きをオンライン化したいと考えていました。

ただし、申請には氏名や住所など個人情報が含まれるため、安心して利用できる環境を整えることが前提です。

<課題・悩み>

・来庁すると待ち時間が長く、郵送でのやり取りにも時間がかかる
・個人情報を含む手続きを、安全な環境でオンライン化したい
・住民がいつでも安心して使える窓口を整えたい

4-2.「解決方法」と「導入業者」の選定基準・理由

大川市は個人情報を扱う手続きでも安心して使えるよう、安全性を最優先に電子申請を検討しました。

そこで、行政専用のLGWAN回線を使い、職員が普段使用している業務端末から安全に処理できるスマート公共ラボを採用。実証実験として運用を始めました。

〈システム会社を選んだ基準〉

・行政専用のLGWAN回線を使って安全に処理できること
・通信の暗号化やIPアドレス制限などのセキュリティが確保されていること
・申請データがLINEのサーバに渡らない設計であること

4-3.導入サービスとその効果

大川市は令和5年、大学生等臨時給付金の申請からスマート公共ラボ 電子申請を始めると、2か月で申し込みが250件を超えました。
このうちLINE経由の申請は96%に達し、住民の多くが使い慣れたLINEから手続きを選んでいます。

夜間や休日など開庁時間外の利用が約4割を占め、役所に行きにくい住民の手続きをスマート公共ラボ 電子申請がカバーしていることがわかりました。

その後、出産・子育て応援ギフトや住民票などの証明書へと対象を広げ、現在は全15種類の手続きに対応。子育て関連の給付金では9割以上がLINEから申請されています。

通信は暗号化され、申請データがLINEのサーバへ渡ることもないため、安全性を保ちながら利便性を高められました。

4-4.導入した感想

大川市のご担当者様からは「電話が繋がらない人にLINEで返事が出せ、修正依頼を送れるようになった」「今まで確認に1申請あたり10分かかっていたが、導入後は5分になり、50%時間削減できた」と好評でした。

住民からも「必要書類のコピーをとることが面倒だったが、カメラで撮影するだけで終わるので簡単」「小さな子供を連れて外に出るのは大変なので、役所に行かずに申請できるのは嬉しい」という声が寄せられています。

安全性を確保したうえで、住民は時間や場所に縛られずに申請できるようになりました。

実際に導入した福岡県大川市のレポート記事はこちらです。

5.北海道当麻町が「申請管理を一元化して職員の事務を効率化した」事例

導入自治体北海道当麻町
特徴北海道のほぼ中央、上川盆地の東端に位置し、優良米や高級ブランドすいか「でんすけすいか」で知られる農業のまち。給付業務の電子申請化など、デジタル技術を活用した業務効率化に取り組んでいる。
人口約6千人(令和8年5月31日現在)

5-1.解決したい課題・悩み

当麻町では物価高騰対策としてプレミアム商品券の支給を予定しており、短期間に大量の申請が集中することが見込まれていました。
件数が増えるほど職員の作業負担はふくらみ、確認漏れや転記ミスのリスクが高まります。
大量の申請を限られた人手でも正確にさばける仕組みが必要でした。

<課題・悩み>

・紙の申請にかかる確認・集計・入力の事務負担が大きい
・短期間に集中する大量の申請をさばききれない
・確認漏れや転記ミスのリスクを抑えたい

5-2.「解決方法」と「導入業者」の選定基準・理由

当麻町はプレミアム商品券支給事業の電子申請化をきっかけに、申請データを一元的に扱える仕組みを求めていたため、申請内容を管理画面に集約し、ステータス管理やCSV出力までこなせるスマート公共ラボを導入することにしました。

〈システム会社を選んだ基準〉

・申請データを管理画面で一元的に管理できること
・ステータス管理やCSV出力など、事務処理の機能が揃っていること
・短期間の大量申請にも対応できること

5-3.導入サービスとその効果

当麻町がプレミアム商品券の支給事業を電子申請化すると、約2,500件の申請のうち約3割がLINEから寄せられました。
申請データを管理画面で一括して扱えるため、窓口での個別対応にかかっていた事務作業が大きく減り、事務処理にかかる時間は7週間から2週間へと縮まりました。

さらに紙の商品券の印刷を取りやめたことで、事務費は約1/3まで下がり、業務負担とコストをあわせて約70%の削減を実現しています。

5-4.導入した感想

北海道当麻町のご担当者様からは「導入当初は『業務が増える』と否定的な意見もありましたが、次第に効率化・ペーパーレス化の意識が浸透」「今後はリッチメニューや機能アップデートを通じて、さらなる利便性向上を目指します」とお言葉をいただきました。

実際に導入した北海道当麻町のレポート記事はこちらです。

なお、自治体の「電子申請」活用の概要に関しては、下記記事で詳しく解説しています。

LINEアカウントで公的個人認証に対応した、スムーズに完結する電子申請サービス、「スマート公共ラボ 電子申請」については、下記をご覧ください。

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