
北海道の空の玄関口・新千歳空港から約20分、札幌都心部からも約80分という優れたアクセス性を誇る安平町。雄大な自然環境に恵まれ、日本初のチーズ専門工場が誕生した酪農の草分けの地、そして日本有数の競走馬の産地としても知られています。

近年は、日本ユニセフ協会から日本初となる「子どもにやさしいまちづくり事業」実践自治体の承認を受けるなど、先進的なまちづくりを進めています。また、デジタル技術を核とした「あびらスマートワーク推進プロジェクト」を立ち上げ、新たな地方創生にも積極的に取り組んでいます。

しかし、他の多くの自治体と同様に、安平町もまた人口減少という大きな課題に直面しています。2045年には人口が4,660人まで減少すると予測される中、住民サービスの質を維持・向上させ、持続可能な行政運営を実現するために、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が急務となっていました。
今回、LINE公式アカウントを拡張して自治体DXを実現する「スマート公共ラボ」の導入を推進された総務課情報グループの竹中 陽亮氏と塩月 達也氏に、導入の背景から具体的な活用方法、そして今後の展望についてお話を伺いました。
目次
迫りくる人口減少と多様化する
住民ニーズへの対応が急務
― スマート公共ラボ導入前は、どのような課題がありましたか?
塩月氏: 安平町は平成18年に早来町と追分町が合併して誕生した町で、本庁舎と支所の二拠点で住民サービスを提供しています。そうした中、2023年に公表された国の推計では、町の人口が2045年には4,660人となり、それに伴い職員数も減少していくことが予測されています。住民の多様なニーズに応え、行政サービスを維持していくためには、広報・広聴、申請、施設管理といったあらゆる場面でのDX化が緊喫の課題でした。
実際に、町のDX推進計画を策定する際に行った調査でも、住民の方から「もっとわかりやすい使い方にしてほしい」「行政手続をデジタル化してほしい」といった声が多く寄せられていました。あらゆる世代の住民が直感的に使え、便利さを実感できる仕組みを早急に実装する必要がありました。

セキュリティと将来性、
手厚いサポート体制が選定の決め手に
― スマート公共ラボの導入を決定された理由を教えてください。
塩月氏: 他のサービスとも比較検討を行いました。その中で、スマート公共ラボはセキュリティ面で優位性があったことに加え、将来的な機能拡張を見据えた際のアカウント発行数や、手厚いサポート体制にも魅力を感じ、導入を決定しました。



住民の「ミスマッチ」を解消し、
「もっと便利」を実現する機能活用
― 住民の利便性向上のために、様々な機能を導入されていますね。
竹中氏: はい、住民生活の様々な場面でご活用いただけるよう、特に以下の機能に注力しました。
受信設定(セグメント配信)
これまでは、受信設定が活用できず、子育て世代向けの情報など、特定の層に向けたお知らせも全登録者に一律で配信していました。その結果、自分に関係ない情報を受け取った方とのミスマッチが生じ、LINE公式アカウントがブロックされてしまう一因となっていました。昨年12月のリニューアルを機に、利用者が自身の関心(子育て、健康、防災など)に応じて情報を選べる受信設定を導入したことで、こうしたミスマッチが解消され、ブロック数の減少につなげることができました。


電子申請
令和5年度から証明書のコンビニ交付サービスを開始していましたが、今回新たに電子申請システムを導入しました。これにより、自宅などから時間や場所を問わず申請・納付が可能になり、これまで主に行政窓口での対応が必要だった戸籍関係の交付手続きなどもデジタル化することで、住民サービスのさらなる向上を目指しています。
今後は、ニーズに応じた拡大を順次行っていき、申請種類の追加も具体的には決まっていませんが、全庁的なDX推進体制として設置しているワーキンググループ関係部署と協力しながら、進めていきたいと思っています。


カレンダー予約(健診予約・施設予約)
この取り組みは、総務省が推進する「自治体フロントヤード改革」に資するものだと考えています。健診や施設利用の予約をオンライン化することで、住民の利便性を高めることはもちろん、将来的には職員の時間をより創造的な業務に振り向けるための第一歩になると期待し、実装に至りました。
現在、カレンダー予約の運用管理は、権限の管理上、サービス実装までは、総務課情報グループで行い、その後の運用管理は担当課で行っています。将来的には、各部署主体での管理体制により運用しやすくなると思っていますので、権限設定等の機能のアップデートに期待しています。



住民からの好意的な声と着実な登録者増。
今後の利活用拡大に期待
― 導入後、どのような変化や反響がありましたか?
塩月氏: 機能拡大と合わせて登録者数も着実に増加しており、住民サービス向上に繋がっている手応えは十分に感じています。リニューアル後、住民の方からは「とても便利になった」という嬉しいお声も直接頂いており、大変嬉しく思っています。
一方で、業務への影響という点では、まだその効果を大きく実感するには至っていません。フロントヤード改革として、職員の時間を生み出すという目標を達成するには、まだまだ機能の利活用を拡大していく必要があると感じています。伸びしろは大きいと考えており、今後も着実な機能拡充を進めていきたいです。
迅速なレスポンスと手厚いレポート。
伴走型サポートが小規模チームの支えに
― プレイネクストラボのサポート体制はいかがでしたか?
竹中氏: 主にコミュニケーションツール「Slack」を通じてサポートをいただいていますが、非常にレスポンスが早く、良い印象を持っています。私たちは少ない人員で運用しているため、細やかなレポート作成なども含めて支援いただけるのは、非常に助かっています。
また、今後の運用を考えると、各部署が主体的に管理できる体制が理想です。今後のシステム改善で権限設定などがより柔軟に拡充され、各課での運用がしやすくなることにも期待しています。

住民にとって、
より身近で便利な存在を目指して
― 最後に、今後の活用予定や期待していることを教えてください。
塩月氏: 今後の具体的な機能追加についてはまだ決まっていませんが、住民の皆さんのニーズに応じて順次拡大していく方針です。全庁的なDX推進体制のもとで設置しているワーキンググループとも協力しながら、最適な形を模索していきます。
ただ、普及啓発という観点ではまだ十分ではないと感じています。今後は、地域の皆さんにとって、このLINEがもっと身近で「なくてはならない」便利なツールだと感じてもらえるよう、創意工夫を図りながら、利便性と認知度の両方を向上させていきたいと考えています。
***
安平町では、LINEという多くの住民にとって身近なツールを入り口とすることで、人口減少が進む中でも多様化する住民ニーズに応え、持続可能な行政サービスの提供に向けた大きな一歩を踏み出しました。セグメント配信による情報のミスマッチ解消や、電子申請、各種予約機能の導入は、住民の利便性向上と行政の効率化を両立させる取り組みです。今後は、さらなる機能の利活用を通じて、住民と行政の結びつきがより一層強固なものになっていくことが期待されます。
人口減少時代の行政サービス維持や、住民との新たなコミュニケーション構築に課題をお持ちの自治体様は、ぜひ一度プレイネクストラボにご相談ください。全国の自治体DXを支援してきた知見をもとに、それぞれの実情に合わせた最適な解決策をご提案します。住民と職員、双方にとってメリットの大きいLINEを活用した新しい行政の形を、一緒に創り上げていきませんか?



