
プレイネクストラボ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:柏 匠、以下 プレイネクストラボ)は、LINEで始める自治体のデジタル総合窓口「スマート公共ラボ」の活用事例セミナーの第22回を6月30日(月)に開催しました。
今回は「住民起点の自治体DXを実現する八戸市の事例」をテーマに、スマート公共ラボを導入している青森県八戸市の活用事例を、LINE公式アカウントのデモンストレーションを交えて紹介。このブログでは、セミナーの内容をわかりやすくレポートします。
目次
スマート公共ラボの概要
運営会社「プレイネクストラボ株式会社」について

2016年設立のプレイネクストラボ株式会社は、東京と福岡に拠点を構えるITベンチャー企業。資本金は7000万円で、従業員は約60名です。4つのコア事業があり、GovTech、DX開発受託、エンジニア派遣、エンジニア採用支援を展開。自治体向けLINE公式アカウント拡張サービスでは、LINE福岡と培った福岡市公式アカウントの実践ノウハウを継承した技術基盤を採用しているのが特長です。

スマート公共ラボは、自治体職員の業務効率化と住民の満足度向上をサポートする行政DXサービス。住民からのごみの分別に関する問い合わせや各種申請、手続き業務の効率化、市政情報や災害情報の効率的な提供といった様々な課題を解決し、「役所に行かない・窓口で待たない・文字を書かない」を叶える自治体のデジタル総合窓口として、全国150以上の自治体公式アカウントで活用されています。
スマート公共ラボは自治体向けの分かりやすいシステムとなっており、直観的な操作が可能。管理者アカウント数は無料で無制限の利用ができます。システム導入時の負担を減らすために複雑な作業はプレイネクストラボが代行し、企画から設計、公開、運営までしっかりとサポート。
スマート公共ラボが提供するサービス
スマート公共ラボは、住民接点をデジタル化するソリューションをLINE公式アカウントを通じて提供。そのひとつが、公的個人認証対応の行政手続きができる電子申請。実際に福岡県宮若市が導入した電子申請の「出産・子育て応援ギフト申請」では、LINE経由の申の割合が7割以上と非常に高い利用率を記録しました。

オリジナル開発にも力を入れており、ChatGPTを活用したAIコンシェルジュは、住民からの問い合わせ対応や議事録の要約などに活用。また、スマートロックとマイナンバーカードを活用した施設の予約システム、LINEで簡単に災害時の行動計画を作成できるマイ・タイムラインといった先進的な取り組みを行い、自治体の業務効率化と住民サービスの向上を両立させています。

スマート公共ラボの導入によってLINE公式アカウントの機能を拡張し、自治体向け機能が利用可能に。細かく条件設定したセグメント配信やチャットボット、帳票作成、リッチメニュー、予約、防災、通報、電子申請、決済など多岐にわたる機能を活用でき、LINEの利便性はそのままに、実体業務にフィットした機能を簡単に導入できます。
管理者向け機能

充実したサービスと併せて、管理者の負担軽減につながる様々な機能を搭載。セグメント配信やチャットボット、アンケート作成の際はプレビューでイメージを確認しながら進めることができ、機能ごとにテスト環境も用意されているため、安心して運用開始できます。実際に使用した職員からは「ミスを防げる」「操作が楽になった」という声があがっています。そのほか、複数管理者の同時操作や、閲覧権限の設定、オンラインマニュアへのアクセス、CSVによるデータの一括設定などが可能。

導入時プロセスとスケジュール

全体のプロセスは、大まかに企画、設計、設定、公開という流れ。公開希望日程や構築内容に応じてスケジュールを柔軟に調整でき、業務の負担がかかるところは弊社が対応するため、自治体職員に大きな負担なく導入できます。
スマート公共ラボLINE公式アカウント
スマート公共ラボLINE公式アカウントでは、最新の事例やイベント情報などを配信しています。ぜひご登録いただければと思います。

LINE ID @169hntco
スマート公共ラボの伴走型サポートとは
導入支援
LINEアカウントとAPIの準備や初期設定、設計書作成、チャットボットやリッチメニューの設定など技術的な部分はすべて弊社が代行し、自治体職員は企画の取りまとめや運用ルール策定、操作方法の確認といった現場に関係する内容を中心に担当。導入代行の具体例として、弊社は避難所検索やゴミの分別検索、施設検索など多くの機能の設計・設定を代行。加えて、庁内説明会の実施や自治体の活用事例紹介、サンプルデータ提供、リッチメニューの提供など導入に関するあらゆるサポートを用意しており、これらの支援を通じてスムーズに運用を始められます。

構築期間中はオンラインによる定例会を開催するほか、公開後も個別相談や1対1のミーティング、事例共有、月次勉強会を通じて継続的にサポート。運用にあたって何から始めればよいかわからないという不安に応えるため、先行自治体から許可を得たマニュアルや事例をテンプレートとして提供しています。管理画面からアクセスできるオンラインマニュアルは、キーワード検索で必要な情報をすぐに探すことが可能。利用頻度の高いアンケートフォームの作成方法なども職員が自分で手順を確認できる仕組みになっており、運用後の自動化にもつながります。
運用支援

スマート公共ラボは単なるシステム提供にとどまらず、運用段階での課題解決や成長支援にも注力。LINEの拡張機能による利用者の利便性向上と職員の負荷軽減を目的とし、新規公開の場合は1年後の友だち登録率20%(リニューアルの場合は+10pt)、また利用者満足度調査で70%以上のコンテンツを満足度の合格ラインとする目標に沿って支援を行っています。
アカウント成長のための伴走支援は大きく分けると、「友だち登録促進の支援」、「利用者満足度調査」、「マンスリー数値レポート」、「運営支援のオンラインミーティング」の4つ。困った時の安心サポートとして、設定支援やチャットによる問い合わせにも対応しています。
友だち登録促進支援として、ホームページや広報紙、役所での掲示など複数のタッチポイントを活用してLINEの認知度を高める提案をし、ゴミや防災といった関心度の高いテーマで継続的な告知が行えるようにポスターやチラシのデザインデータも提供。例えば、福岡市LINE公式アカウントの友だち追加のきっかけは、ごみの日通知や防災、気象情報となっており、住民がLINE公式アカウントに自然にアクセスする動線作りが重要であることがわかります。また、福岡県春日市では機能追加のタイミングに合わせて広報誌の表紙や中身で大きく紹介。継続的な広報活動と目立つ告知デザインを両立することで、友だち登録率が人口の58%にまで到達しています。

受信設定の促進も運用面で重要な施策。例えば、友だち追加直後に写真付きで受信設定を案内し、ほしい情報だけを受け取れることを分かりやすく訴求することで、受信設定率が86%に達した事例もあります。強制的に設定させるような機能は弊社の方針として導入しておらず、住民に寄り添った設計を重視しています。

ホームページを持っていない自治体向けには、弊社ホームページ内に機能紹介ページを用意し、リンクを貼るだけで利用可能。千歳市ではこの機能紹介ページをタッチポイントのひとつとして活用し、住民への認知拡大に役立てています。

役場内などで掲示できる、効果的な訴求を記載したポスターのデータも用意。住民の関心が高いテーマを全面に出し、視認性に配慮したデザインのため、掲示や配布によって自然な形でLINE登録へと誘導できます。

LINE公式アカウント内で年に1回実施する利用者満足度調査では、使いやすさや情報の分かりやすさ、満足度、友人へのおすすめ度などを確認し、結果をレポート形式で報告。住民の生の声を収集して分析、改善を行うことでより良いサービス作りを支援しています。また、友だち登録数などの基礎情報や配信状況等はマンスリー数値レポートとして提供。数値だけでなく前年同月との比較や改善ポイントも記載されており、自治体内での報告資料としてもそのまま活用できます。

友だち登録促進支援として、自治体のポスターや広報誌に利用できる無料テンプレートを提供。大きく成果が挙げられた自治体の広報事例を共有しているため、参考にしながら友だち増加の施策を打つことができます。
年1回実施する利用者満足度調査は、ユーザーにLINEでアンケートを送信し、その回答を後日レポート化して提供するサービス。実際にLINEで提供しているコンテンツの満足度や重要度が分かります。登録のきっかけや配信頻度などのアンケートのほか、フリーコメントもあるため、住民のリアルな声を聞ける機会となっています。
青森県八戸市の事例
今回のセミナーでは、八戸市総務部情報政策課のご担当者様を交えて、青森県八戸市のLINE公式アカウントを見ていただきながら活用事例を紹介しました。
青森県八戸市の紹介

太平洋に面した青森県の南東部に位置する八戸市は、全国有数の水揚げを誇る水産都市、 東北有数の工業都市、北日本屈指の国際貿易港を有する都市。種差海岸をはじめとした美しい自然に加え、八戸三社大祭や八戸えんぶり、縄文遺跡などの文化資源もあり、産業、自然、文化といった多彩な魅力を併せ持っています。
八戸市LINE公式アカウントデモンストレーション

プレイネクストラボ担当者(以下、プレイネクストラボ):八戸市LINE公式アカウントは、メインメニュー、くらし、防災の3タブの構成になっています。構築段階でこのメニューに決まった経緯を教えていただけますか?
八戸市ご担当者様(以下、八戸市):全庁に向けてLINE導入についてのアンケートを行った際にLINEを実際に使いたいとのことで、メニュー案を事前に出してもらい、それを3つの分類にカテゴライズした結果、この3タブになりました。
プレイネクストラボ:メインメニューでは弊社の機能として道路などの異常通報、バス停や施設の検索、受信設定を利用されていますが、道路などの異常通報について住民や職員からの反響があればお伺いしたいです。


八戸市:市民からの通報件数が増えたと聞いており、LINEからの報告が簡単なので通報するまでのハードルが下がったのではないかと考えています。職員からは、写真や場所も指定されて送られてくるのでわかりやすくなったと好評でした。
プレイネクストラボ:バス停検索に関して、八戸市のバス会社や現在地から探せますが、このコンテンツの利用状況はいかがですか?
八戸市:バス停検索は結構使われていますが、まだ改善の余地があると思っています。検索後に出てくる文字の多さなどをもっと分かりやすくできそうです。
プレイネクストラボ:バス停は非常に量が多いので、ぜひ改善をお手伝いできればと思います。子育て関連施設やAEDマップの検索は、要望があって導入したのですか?

八戸市:こちら側からの提案もありましたが、AEDの検索は担当課からのせたいという要望がありました。
プレイネクストラボ:続いてくらしメニューでは、ゴミの出し方や予約・申請、子育て、病院の情報など様々なコンテンツを入れており、弊社のゴミ分別の検索機能も利用されていますが、導入の経緯や導入後の効果を教えてください。

八戸市:以前はゴミの出し方をPDFやホームページ上で探すしかなく、キーワードで探すようにできれば便利だということで、ゴミ分別のチャットボットを利用することにしました。実際に調べられているものも多いですが、あまりヒットしないこともあるので、入れるデータをもう少し考えないといけないという改善点はあります。
プレイネクストラボ:CSV形式で一括更新できるので、今まで検索でヒットしなかった項目はすぐにアップデートできるかと思います。予約・申請については、おくやみコーナー予約や、市民税・県民税の申告予約を受け付けていましたが、反響はいかがでしたか?
八戸市:おくやみコーナーも税の申告予約も使われている印象で、税の予約は若い方も多いため、なおさらLINEの予約が活用されています。

プレイネクストラボ:休日夜間の受診に関しては庁舎への問い合わせが多く、コンテンツとして入れたいという強い想いがあったそうですが、担当課からもそういった声があってメニューに加えたのでしょうか?
八戸市:はい、そうです。問い合わせが減れば担当課の仕事も楽になるので、プレイネクストラボにお願いしてチャットボットを作ってもらいました。
プレイネクストラボ:休日夜間の受診については、症状別にチャットボットで案内を進めていく形で階層がしっかり作られています。また、受信設定に関して、この構成にした理由があればお伺いしたいです。

八戸市:ほっとスルメールは、市の防災メールと連携して受信できる設定になっています。市政情報は年代や属性に合わせた分野でカテゴライズしていますが、市民からのアンケートで「もっと細分化した方が良い」という声もあったので、改善する余地があると感じています。
プレイネクストラボ:既存のメールを弊社のシステムと連携することで、メールの本文情報を自動で転送できるため、職員がわざわざ配信するという負担の削減にもつながりますよね。
ここからは、管理画面側の機能をご紹介します。まず施設検索は、八戸市の場合、バス停や子育て関連施設、公園などを検索できますが、施設登録はCSVで一括インポートが可能になっています。例えば子育て関連施設だと、幼稚園や一時預かり事業といったジャンルに応じてグループを作成したり、地区やサービスごとに表示させたりもできます。

ゴミの分別は、すでに1000件を超える品目が登録されていますが、こちらもCSVでインポート・ エクスポートができ、追加したい品目があれば管理画面で編集するだけですぐに上書きが可能です。

受信設定は、記述式や選択式といったアイテムを追加してフォームを作成できます。また、八戸市では市長選の時に帳票作成機能をご利用いただきました。フォームを使って各投票所からの経過報告をしたということですが、実際に利用した現場の感想はいかがでしたか?


八戸市:全ての投票所からLINEで投票数を報告できるようにしました。報告する側もされる側もデータで管理でき、わざわざ電話しなくて良いため、とても便利になったという声があがりました。
プレイネクストラボ:各投票所から電話で逐一報告するとなると電話回線には限りがありますが、LINEで報告だと同時に何名でも報告ができ、時間帯も選ばないので、他の自治体でも重宝されている機能です。管理画面から集計結果をエクスポートしてローカルデータとして集計することもできます。最後に、八戸市で今後の利用に関して改善点や検討点があればお伺いできればと思います。
八戸市:市民からのアンケートをもとにどの機能が使われていて、どの機能があまり使われていないか分かってきたので、使われている機能はもっと便利にアップデートし、使われていない機能は別の機能に入れ替えて、全体的により使いやすいLINEにしていきたいです。
八戸市がLINEを活用するに至った経緯

八戸市では、一方通行の情報発信しかできていない点、市民からの問い合わせを電話やメールで受け付ける負担が大きい点が課題として挙げられていました。デジタルに関する会議の参加者からも「情報を探しているのに欲しい情報がない、情報がいろいろな場所に散らばっていて探すのが困難だ」という声がありました。そのため、ユーザーから見たときに情報の統一性や連携性のあるシステムの構築が求められていると感じ、LINEの活用を検討しました。

スマート公共ラボを選んだ理由は、導入を希望した機能が揃っていたこと、導入費用やランニングコスト、サポート体制が充実していることが大きな決め手。

構築事業者の決定前にLINEを活用したい部署はあるかアンケートを実施し、担当課の意向と情報政策課の提案を組み合わせて、どの課でプロジェクトを行うかを検討する会議を複数回開催し、入れたい機能を明確にしておきました。構築事業者決定後も、当課主催でワークショップを開催し、導入や運用について情報を共有しつつ、課題や作業工程を整理しながら構築作業を進めました。
導入後の変化

煩雑だったイベントやお知らせなどの情報配信が簡単になり、ターゲットに対して確実に届くようになった点が職員から好評。道路などの損傷報告をLINEからできるようにしたことで報告件数が増えたため、市民が損傷報告をするハードルが下がったと推測できます。公式LINE上で定期的にアンケートを行って市民の声を直接聞き、アップデートの内容を具体的に検討できたり、市の防災メールと連携することで別の作業なくLINEに防災メールを届けられたりするのもメリットだと感じています。

新しい機能を検討するときや、使用について相談したいときはスラックでいつでも気軽に連絡でき、担当課の要望を満たせない場合は代替案を提示してもらえるという充実したサポートも魅力。今後は市民の声を聞きながらリッチメニューや機能をアップデートし、機能をフル活用してより使いやすく便利な公式LINEにしたいと考えています。
セミナーのまとめ
導入プロセス
- 情報政策課が全庁アンケートでヒアリングし、ワーキンググループを編成して課題と工程を整理。庁内の合意形成を先行して進めた。
- スマート公共ラボCSが企画・設計・設定を伴走しながら要望に応じて代替案を提示。
導入効果
- LINE経由の損傷通報とアンケート回答が増加し、市民の声を継続的に取得するサイクルを確立。
- セグメント配信の活用でイベントやお知らせの情報発信が簡便化し、市民への到達率が向上。
Q&A
スマート公共ラボのよくあるQ&A
Q1)職員向けの操作説明や研修はありますか?
A1)はい、管理機能の操作研修を導入時に実施します。
Q2)LINEのリッチメニューの準備方法はどのようになりますか?
A2)リッチメニューの内容が決まったら、自治体でデザインを用意していただくか、弊社で制作のご相談も承っています。その場合、無償のデザインテンプレートを利用するか、有償でデザインを新たに制作するかを選択できますので、ご相談いただけたらと思います。
Q3)コンテンツのアップデートなど運用体制はどのようになりますか?
A3)管理機能の全機能を職員さまが操作可能ですが、運用のサポートについてもご相談いただけたらと思います。
Q4)すでにあるLINEに導入しているシステムと併用は可能ですか?
A4)はい、可能です。現在、使用中のシステムによりケースバイケースになりますので、事前にシステム環境を確認させていただけたらと思います。
Q5)セキュリティの認証など取得していますか?
A5)はい、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)やプライバシーマークを取得し、情報を適切に管理しております。
次回イベントの参加にご興味ある方は、スマート公共ラボLINE公式アカウントにご登録いただき、新着情報をお待ちください。

LINE ID @169hntco



