
プレイネクストラボ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:柏 匠、以下 プレイネクストラボ)は、行政DXサービス「スマート公共ラボ」で提供している最新の取り組みを紹介する無料オンラインセミナーの第20回を4月30日(水)に開催しました。
今回は「小規模自治体によるLINEで完結する電子申請の活用事例」をテーマに、スマート公共ラボが提供する「電子申請」機能についてデモンストレーションや事例を交えて紹介。このブログでは、セミナーの内容をわかりやすくレポートします。
スマート公共ラボの概要
運営会社「プレイネクストラボ株式会社」について

2016年設立のプレイネクストラボ株式会社は、東京と福岡に拠点を構えるITベンチャー企業。資本金は7000万円で、従業員は約60名です。4つのコア事業があり、GovTech、DX開発受託、エンジニア派遣、エンジニア採用支援を展開。自治体向けLINE公式アカウント拡張サービスでは、LINE福岡と培った福岡市公式アカウントの実践ノウハウを継承した技術基盤を採用しているのが特長です。

スマート公共ラボは、自治体職員の業務効率化と住民の満足度向上をサポートする行政DXサービス。住民からのごみの分別に関する問い合わせや各種申請、手続き業務の効率化、市政情報や災害情報の効率的な提供といった様々な課題を解決し、「役所に行かない・窓口で待たない・文字を書かない」を叶える自治体のデジタル総合窓口として、全国150以上の自治体公式アカウントで活用されています。
スマート公共ラボは自治体向けの分かりやすいシステムとなっており、直観的な操作が可能。管理者アカウント数は無料で無制限の利用ができます。システム導入時の負担を減らすために複雑な作業はプレイネクストラボが代行し、企画から設計、公開、運営までしっかりとサポート。
スマート公共ラボが提供するサービス
スマート公共ラボは、住民接点をデジタル化するソリューションをLINE公式アカウントを通じて提供。そのひとつが、公的個人認証対応の行政手続きができる電子申請。実際に福岡県宮若市が導入した電子申請の「出産・子育て応援ギフト申請」では、LINE経由の申の割合が7割以上と非常に高い利用率を記録しました。

オリジナル開発にも力を入れており、ChatGPTを活用したAIコンシェルジュは、住民からの問い合わせ対応や議事録の要約などに活用。また、スマートロックとマイナンバーカードを活用した施設の予約システム、LINEで簡単に災害時の行動計画を作成できるマイ・タイムラインといった先進的な取り組みを行い、自治体の業務効率化と住民サービスの向上を両立させています。

スマート公共ラボの導入によってLINE公式アカウントの機能を拡張し、自治体向け機能が利用可能に。細かく条件設定したセグメント配信やチャットボット、帳票作成、リッチメニュー、予約、防災、通報、電子申請、決済など多岐にわたる機能を活用でき、LINEの利便性はそのままに、実体業務にフィットした機能を簡単に導入できます。
管理者向け機能

充実したサービスと併せて、管理者の負担軽減につながる様々な機能を搭載。セグメント配信やチャットボット、アンケート作成の際はプレビューでイメージを確認しながら進めることができ、機能ごとにテスト環境も用意されているため、安心して運用開始できます。実際に使用した職員からは「ミスを防げる」「操作が楽になった」という声があがっています。そのほか、複数管理者の同時操作や、閲覧権限の設定、オンラインマニュアへのアクセス、CSVによるデータの一括設定などが可能。

導入時プロセスとスケジュール

全体のプロセスは、大まかに企画、設計、設定、公開という流れ。公開希望日程や構築内容に応じてスケジュールを柔軟に調整でき、業務の負担がかかるところは弊社が対応するため、自治体職員に大きな負担なく導入できます。
スマート公共ラボLINE公式アカウント
スマート公共ラボLINE公式アカウントでは、最新の事例やイベント情報などを配信しています。ぜひご登録いただければと思います。

LINE ID @169hntco
スマート公共ラボの伴走型サポートとは
導入支援
LINEアカウントとAPIの準備や初期設定、設計書作成、チャットボットやリッチメニューの設定など技術的な部分はすべて弊社が代行し、自治体職員は企画の取りまとめや運用ルール策定、操作方法の確認といった現場に関係する内容を中心に担当。導入代行の具体例として、弊社は避難所検索やゴミの分別検索、施設検索など多くの機能の設計・設定を代行。加えて、庁内説明会の実施や自治体の活用事例紹介、サンプルデータ提供、リッチメニューの提供など導入に関するあらゆるサポートを用意しており、これらの支援を通じてスムーズに運用を始められます。

構築期間中はオンラインによる定例会を開催するほか、公開後も個別相談や1対1のミーティング、事例共有、月次勉強会を通じて継続的にサポート。運用にあたって何から始めればよいかわからないという不安に応えるため、先行自治体から許可を得たマニュアルや事例をテンプレートとして提供しています。管理画面からアクセスできるオンラインマニュアルは、キーワード検索で必要な情報をすぐに探すことが可能。利用頻度の高いアンケートフォームの作成方法なども職員が自分で手順を確認できる仕組みになっており、運用後の自動化にもつながります。
運用支援

スマート公共ラボは単なるシステム提供にとどまらず、運用段階での課題解決や成長支援にも注力。LINEの拡張機能による利用者の利便性向上と職員の負荷軽減を目的とし、新規公開の場合は1年後の友だち登録率20%(リニューアルの場合は+10pt)、また利用者満足度調査で70%以上のコンテンツを満足度の合格ラインとする目標に沿って支援を行っています。
アカウント成長のための伴走支援は大きく分けると、「友だち登録促進の支援」、「利用者満足度調査」、「マンスリー数値レポート」、「運営支援のオンラインミーティング」の4つ。困った時の安心サポートとして、設定支援やチャットによる問い合わせにも対応しています。
友だち登録促進支援として、ホームページや広報紙、役所での掲示など複数のタッチポイントを活用してLINEの認知度を高める提案をし、ゴミや防災といった関心度の高いテーマで継続的な告知が行えるようにポスターやチラシのデザインデータも提供。例えば、福岡市LINE公式アカウントの友だち追加のきっかけは、ごみの日通知や防災、気象情報となっており、住民がLINE公式アカウントに自然にアクセスする動線作りが重要であることがわかります。また、福岡県春日市では機能追加のタイミングに合わせて広報誌の表紙や中身で大きく紹介。継続的な広報活動と目立つ告知デザインを両立することで、友だち登録率が人口の58%にまで到達しています。

受信設定の促進も運用面で重要な施策。例えば、友だち追加直後に写真付きで受信設定を案内し、ほしい情報だけを受け取れることを分かりやすく訴求することで、受信設定率が86%に達した事例もあります。強制的に設定させるような機能は弊社の方針として導入しておらず、住民に寄り添った設計を重視しています。

ホームページを持っていない自治体向けには、弊社ホームページ内に機能紹介ページを用意し、リンクを貼るだけで利用可能。千歳市ではこの機能紹介ページをタッチポイントのひとつとして活用し、住民への認知拡大に役立てています。

役場内などで掲示できる、効果的な訴求を記載したポスターのデータも用意。住民の関心が高いテーマを全面に出し、視認性に配慮したデザインのため、掲示や配布によって自然な形でLINE登録へと誘導できます。

LINE公式アカウント内で年に1回実施する利用者満足度調査では、使いやすさや情報の分かりやすさ、満足度、友人へのおすすめ度などを確認し、結果をレポート形式で報告。住民の生の声を収集して分析、改善を行うことでより良いサービス作りを支援しています。また、友だち登録数などの基礎情報や配信状況等はマンスリー数値レポートとして提供。数値だけでなく前年同月との比較や改善ポイントも記載されており、自治体内での報告資料としてもそのまま活用できます。

友だち登録促進支援として、自治体のポスターや広報誌に利用できる無料テンプレートを提供。大きく成果が挙げられた自治体の広報事例を共有しているため、参考にしながら友だち増加の施策を打つことができます。
年1回実施する利用者満足度調査は、ユーザーにLINEでアンケートを送信し、その回答を後日レポート化して提供するサービス。実際にLINEで提供しているコンテンツの満足度や重要度が分かります。登録のきっかけや配信頻度などのアンケートのほか、フリーコメントもあるため、住民のリアルな声を聞ける機会となっています。
スマート公共ラボ 電子申請
スマート公共ラボの電子申請は、スマートフォンから行政の各種手続きができる仕組み。大きな特長は、マイナンバーカードを使った公的個人認証への対応、オンライン決済への対応、LGWANアクセス対応の3点。紙や郵送で行っていた手続きがより早く安全に簡単にできます。

利用に際して専用アプリのインストールは不要で、LINE公式アカウントから誘導し、申請フォームに必要事項を入力。その後マイナンバーカードで本人認証し、決済までLINE上で完結させられます。決済はクレジットカード情報の入力が不安な人のためにPayPayにも対応。申請後は自治体職員に自動で通知が届き、管理画面から申請内容を確認できます。免許証などの画像添付にも対応しています。

福岡県大川市の出産子育て給付金は2ヶ月で271件申請があり、そのうち96%がLINEからの申請で、職員の申請処理時間は半分に短縮されました。申請のために専用アプリのインストールやユーザー登録が必要だと離脱ポイントになりますが、スマート公共ラボの電子申請はLINE上で完結するため、スマートフォンの操作に慣れていない人でも使いやすい仕組みになっています。
利用者側の操作デモンストレーション
例えば大川市LINE公式アカウントで電子申請をする場合、Web申請をタップし、チャットボットの案内に従って申請フォームを起動して必要な情報を入力。次に認証ボタンを押してマイナンバーカードを読み込むと、マイナンバーカードに登録されている名前や住所、生年月日がフォームに反映されます。最後に送料や手数料の決済をすれば申請完了。

電子申請は本人確認や決済の有無に応じて分類されています。住民票や戸籍謄本などマイナンバーカードによる本人確認と決済が必要なものをはじめ、有償サービス利用や助成申請など本人確認や署名が不要な場合の手続きも幅広くカバーしています。
データ保護・個人情報漏洩対策
4つの領域で対策を行っており、電子申請はデータ管理・管理画面を分離してセキュリティを強化。管理者側の対策として電子申請の管理画面が独立しており、LGWAN経由でのみアクセスが可能。クラウド上では通信暗号化やIPアドレス制限など技術的な対策を講じています。利用者への配慮としてマイナンバーは保管せず、LINEログインのセキュリティチェックに対応済み。社内での体制も強化し、ISMSやプライバシーマークの取得など個人情報保護を徹底しています。

電子申請の利用者側・管理者側のイメージ
住民側の画面にはマイページが用意されており、自分の申請の状況確認や取り下げなどのニーズに住民自ら対応できるようになっています。

管理者画面では、処理ステータスの変更や取り下げ、差し戻しなどがすべて記録として画面に残るため、職員間で引き継ぎや確認がしやすい仕組み。申請の検索や絞り込み、CSVの出力、送付状の自動作成、申請者へのメッセージ配信機能も備えており、業務の負担を減らしながら日常の運用を強力にサポートします。申請フォームはスマートフォンでプレビューしながら作成でき、職員でも簡単に設計や編集が可能。よく使われる手続きはテンプレート化されているためゼロから作る必要はなく導入や拡張もスムーズです。
管理者機能の操作デモンストレーション
管理画面では住民の申請内容や基本情報を見ることができ、タイムラインで申請の変更履歴や修正内容を確認可能。メッセージ送信では、申請者に対して個別にメッセージや添付ファイルを送れます。決済を伴う申請の場合は手数料や送料が表示されます。

電子申請の申請一覧画面では、申請番号、申請者、担当者、申請種別というカテゴリーから希望の検索項目を選択し、期間やステータスを指定して検索が可能。申請の詳細確認のほか、申請情報の一括出力、送付状の一括作成ができます。送付状は申請で受け付けた郵送先や申請者情報が自動的に反映されます。

管理画面では、詳細を指定して新規の申請フォームを作成可能。プレビュー画面に実際に作っているフォームが反映されるため、確認しながら作成を進められます。独自でフォームを作るだけでなく、テンプレートを編集する形式も可能。
事例紹介
北海道当麻町
当麻町のLINEアカウントメニューは基本メニュー、暮らし、コミュニティーの3タブ構成で、基本メニューにある「申請・届出」からチャットボットに従って電子申請を行えます。現在2つの申請を行っていますが、今後はポイント付与のための申請なども受け付け予定。
北海道安平町
安平町のメニューは基本メニュー、くらし・子育て、まちの魅力・情報の3タブ構成で、基本メニューにある「電子申請」からコンテンツを展開。カルーセルを使って各種申請を分かりやすく設置しています。公的書類の発行申請や下水道の開閉栓の申請からスタートし、最近では物価高騰対策の給付金や子育て世代の臨時給付金の申請なども自治体独自でフォームを作成して運用しています。

山形県大江町
大江町のメニューはメインメニュー、子育て、町のみりょくの3タブ構成で、メインメニューの「申請・予約」から電子申請や来庁予約などを受け付け。公的書類発行の申請を主に受け付けており、現在は戸籍証明申請の準備も進めています。
静岡県下田市
下田市のメニューは、基本メニュー、くらし、結婚・子育ての3タブ構成で、基本メニューにある「オンラインでの手続・申込」からコンテンツを展開。弊社の電子申請に加えて、ぴったりサービスや蔵書検索といった機能と併用する形でコンテンツを表示しています。税に関する証明書のほか、ヘルプマークも弊社の電子申請システムを使って発行申請が可能です。

兵庫県新温泉町
3つあるメニューのうち「メニュー3」に電子申請のアイコンを設置。電子申請の機能を使って、航空機利用助成金や詐欺被害防止機器貸与の申請を受け付けています。新温泉町では元々GovTechプログラムを導入してメニューやチャットボットを構築していましたが、コンテンツの運用途中で電子申請を契約し、後から電子申請のコンテンツを追加しました。
山口県田布施町
田布施町はイベント申し込みに電子申請の機能を利用。ロードレース大会では、受付期間約1ヶ月で400名定員ところ約9割の申し込みがあり、約6週間で友だちが30%増加しました。

福岡県宮若市
宮若市は、GovTechプログラムを利用した後に電子申請を導入。出産・子育て応援ギフト申請では10日間で90件の申し込みがあり、そのうち全体の70%がLINEからの申請でした。現在は罹災証明や移住定住に関する申請など、子育て以外にも様々な申請をメニューから分かりやすく展開しています。
沖縄県久米島町
久米島町は人口のカバー率約60%と登録率が非常に高いアカウント。くらしメニューの中にある電子申請から、水道の開閉栓や名義変更といった水道関連の申請を受け付けています。


セミナーまとめ
- スマート公共ラボ電子申請はマイナンバーカードによる本人確認や決済に対応し、LINE上で完結する行政手続きを実現
- アプリ不要・ユーザー登録不要の“迷わないUX”により、住民にも職員にも優しいデジタル手続きを提供可能
- 全国で導入が進んでおり、申請数の増加や業務負担の軽減といった成果が現れている
Q&A
スマート公共ラボのよくあるQ&A
Q1)職員向けの操作説明や研修はありますか?
A1)はい、管理機能の操作研修を導入時に実施します。
Q2)LINEのリッチメニューの準備方法はどのようになりますか?
A2)リッチメニューの内容が決まったら、自治体でデザインを用意していただくか、弊社で制作のご相談も承っています。その場合、無償のデザインテンプレートを利用するか、有償でデザインを新たに制作するかを選択できますので、ご相談いただけたらと思います。
Q3)コンテンツのアップデートなど運用体制はどのようになりますか?
A3)管理機能の全機能を職員さまが操作可能ですが、運用のサポートについてもご相談いただけたらと思います。
Q4)すでにあるLINEに導入しているシステムと併用は可能ですか?
A4)はい、可能です。現在、使用中のシステムによりケースバイケースになりますので、事前にシステム環境を確認させていただけたらと思います。
Q5)セキュリティの認証など取得していますか?
A5)はい、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)やプライバシーマークを取得し、情報を適切に管理しております。
次回イベントの参加にご興味ある方は、スマート公共ラボLINE公式アカウントにご登録いただき、新着情報をお待ちください。

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