
沖縄県 嘉手納町では、2022年4月より「スマート公共ラボ with LINE SMART CITY GovTech プログラム」の本格的な運用を開始しました。LINEでピンポイントに情報を発信できるセグメント配信機能により、LINE公式アカウントのブロック件数が減少したとのこと。また、基地に関する「苦情受付フォーム」を導入し、住民から喜ばれているのだそう。そこで今回は、嘉手納町のご担当者の方に、自治体の課題が解決された実態や、利便性を感じられている機能について伺ってみました。
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「セグメント配信」で
きめ細かな情報発信を実現

—まず、嘉手納町のことや、所属されている部署のことを教えてください
上運天さん:嘉手納町は、沖縄本島の中部に位置し、東シナ海に面する海岸線沿いにあって、那覇市から北へ約23キロメートルの地点にあります。1605年、我が町の先達・野國總管(のぐにそうかん)によって中国福建省からもたらされた甘藷(かんしょ※芋のこと)は、琉球の全ての村々へ、そして、薩摩を経て全国へと広まり、人々を餓えや飢饉から救い、全国民が等しくその恩恵に浴することになったことが有名であります。
私たちの部署「企画財政課」は町の財政、企画政策、広報業務等多岐にわたり業務を実施しております。
—「スマート公共ラボ with LINE SMART CITY GovTech プログラム」を導入する以前より、嘉手納町として抱えていた課題はありましたか?
上運天さん:本町ではGovTechプログラム導入前からLINE公式アカウントを運用し、新型コロナウイルス感染症情報や各種支援策等を中心に情報発信を行っておりましたが、過度の情報発信から、ブロック件数が増え、どうすれば良いのかと悩んでおりました。
—では、導入を決定された理由を教えてください
上運天さん:まず、新型コロナウイルス感染症の情報を欲しいと思っている住民へ届けたいとの想いから導入を検討いたしました。いろいろ調べていくと「セグメント配信」という機能が実装できることがわかり、これができれば、配信数もこれまでのように気にする必要もなく、住民ニーズに合ったきめ細かな情報発信ができることが決め手になりました。あと、防災情報、アンケート機能等が充実していたことも決め手になりました。



—導入を決定されてから公開まで、作業はスムーズでしたか?
上運天さん:当初は何もわからないままのスタートでしたので、毎日が新しいことの連続でした。そのたび戸惑いましたが、開発者のアドバイスもあり、どうにか公開までたどり着けたと思います。

—また、公開までの作業で悩んだことや、困ったことはありましたか?
上運天さん:担当課との調整に時間を要しました、その点も丁寧にシステムの説明を行い、賛同を得ることができ、作業を進めてきました。導入準備中が繁忙期であり、実装できなかったシステムもあったのですが、今後、実装することで調整をしているところです。

配信回数を気にせずに
情報発信できるようになった
—導入後、実際に活用されてみて、以前まで抱えていた課題はどのように解決されましたか?
上運天さん:これまで、ブロック数が増えることを恐れ、配信回数を気にしていたのですが、まずそれが無くなりました。セグメント配信により、ほしい情報をほしい方へ送れるようになったので、きめ細かに情報発信ができていると思います。
現在は、新型コロナウイルス感染症の情報を中心に配信しております。最近ではイベント開催も徐々に開催されていることから、そちらも配信回数を多くし、賑わいづくりを図っております。

—「ごみのリマインド機能」なども、新たに活用されているそうですね
上運天さん:ごみのリマインドは、ごみの収集日の前日夜7時に配信設定しており、ごみ出しを忘れることが少なくなったと聞いております。大変良いシステムだと思います。


「フォーム」で受付を開始し
申請がしやすくなったと好評
—ところで「基地被害苦情110番」をLINE公式アカウントのフォームで受け付けるようになったそうですが、いかがでしたか?
上運天さん:町面積の82%にのぼる莫大な米軍基地(嘉手納基地)が本町には所在し、騒音や悪臭等に関する苦情が毎日のように寄せられており、そうした苦情をこれまで専用電話にて受付をしておりましたが、担当課より、LINEにおいて苦情受付ができないかとの相談があり、開発者と相談を重ね、実装まですることができました。利用者からは、苦情の申請がやりやすくなったと喜ばれております。

投稿フォーム

今後は「行政手続き」など
さらに利用シーンを拡大したい
—住民や職員の方々から、このほかにも反応はありましたか?
上運天さん:LINEは普及率が高く大変多くの方々が利用されているアプリなので、情報をプッシュ型で通知されることは大変良いとの反応を住民の皆様からはいただいております。職員からは、セグメント配信登録されている方々へ情報を周知することができるようになったので大変喜ばれている一方で、これまで行政情報を町ホームページでの配信を中心に行っておりましたので、LINEでの周知方法に戸惑っている課もありますね。
—では、今後はどのような利用を予定されていますか?
上運天さん:今後はこのGovTechプログラムを利用し、町のスポーツイベントの予約や、確定申告の予約など様々な用途に利用したいと考えております。また、行政手続きにも利用できるようになれば、住民の利便性向上と職員の業務効率化の観点から前向きに検討したいと考えております。

今回取材させていただいた嘉手納町では、住民によるブロック件数が減少するなど、LINEを活用した情報発信のメリットを実感されていました。また、「苦情受付フォーム」のように、自治体のご事情に合わせたカスタマイズができることも、「スマート公共ラボ with LINE SMART CITY GovTech プログラム」の特長のひとつです。ぜひ、LINEを活用した情報発信を検討されている自治体のご担当者の方は、まずはプレイネクストまでお気軽にお問い合わせくださいませ。全国で導入事例の豊富な弊社スタッフが、自治体のご事情に合わせたご提案をさせていただき、課題の解決に尽力いたします。