【レポート】第9回スマート公共ラボ活用事例セミナー LINEによる保健事業の予約受付で業務負荷が大幅減 〜留寿都村の事例〜

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第9回スマート公共ラボ活用事例セミナー~留寿都村の事例~スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。

プレイネクストラボ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:柏 匠、以下 プレイネクストラボ)は、GovTechプログラムの「スマート公共ラボ」で提供している最新の行政DX事例を紹介する無料オンラインセミナーの第9回を4月24日(水)に開催しました。今回は北海道留寿都村の保健事業のLINE活用事例を詳しく紹介。このブログでは、セミナーの内容をわかりやすくレポートします。


スマート公共ラボとは?

スマート公共ラボは、自治体職員の業務効率化と住民の満足度向上をサポートするサービス。スマート公共ラボ for GovTechプログラムと電子申請を柱に、「役所に行かない・窓口で待たない・文字を書かない」を叶える自治体のデジタル総合窓口として、全国約100の自治体公式アカウントで活用されています。

スマート公共ラボ for GovTechプログラムについて

スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。

スマート公共ラボ for GovTechプログラムを導入すると、帳票作成、細かく条件設定したセグメント配信、複雑なシナリオ配信(チャットボット)、施設やイベントの予約に役立つカレンダー予約、緊急時に特化した災害モード、位置情報から案内できるスポット検索、決済の機能を使うことが可能。LINE公式アカウントの標準機能だけでは補えない、充実したサービスが特長です。

電子申請について

スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。

スマート公共ラボの電子申請は、マイナンバーカードを用いて本人確認が必要な申請と、交付料や手数料の支払いに便利なオンライン決済が可能。LGWANのアクセスにも対応しており、既存の業務用パソコンから利用できるため、導入の負担が少ないのも魅力です。

開発の際は各自治体のご要望に合わせて、機能やデザインのカスタマイズにも柔軟に対応。カラーユニバーサルデザインのガイドに準拠し、観光や子育てなど重視するテーマの専用メニューも作成できます。

管理機能と導入サポート

スマート公共ラボは自治体向けの分かりやすいシステムとなっており、スマートフォンのプレビューを見ながら操作が可能。導入時の負担を減らすために、複雑な作業はプレイネクストラボが代行します。ヒアリングを行いながら企画をし、設計、設定、公開までしっかりとサポート。

山形市・鳥取市の事例

山形県山形市では、LINE公式アカウントから、児童遊戯施設コパルの予約ができるように施設予約システムを導入。予約開始4日間で1ヶ月先の予約枠が埋まり、次の利用までの待機時間が0分になったという実績があります。

参考:スマート公共ラボ活用事例セミナー山形市の事例

鳥取県鳥取市の公式アカウントでは、合計数千パターンもあるゴミ捨てのお知らせ配信を実施。地域ごとの収集スケジュールが複雑でも、チャットボットを利用することで細かく対応でき、住民にとって便利なコンテンツとなっています。

スマート公共ラボ活用事例鳥取市。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。

スマート公共ラボLINE公式アカウント

スマート公共ラボLINE公式アカウントでは、最新の事例やイベント情報などを配信しています。ぜひご登録いただければと思います。

スマート公共ラボLINE公式アカウント
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LINE ID @169hntco


北海道留寿都村の活用事例

セミナーでは、北海道留寿都村 保健医療課 課長の佐藤全弘様にご参加いただき、留寿都村の保健事業のLINE活用事例を紹介していただきました。

留寿都村の紹介

第9回スマート公共ラボ活用事例セミナー~留寿都村の事例~。留寿都村の紹介。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。

北海道の南西部に位置する留寿都村は、市街地の標高が海抜350m以上の高原地帯であり 豪雪地帯。札幌市、千歳市などの主要な町から車で約1時間半の距離です。山や湖、海が揃っており、屋外アクティビティが充実しています。

令和6年3月末の人口は1,926人で世帯数は1,103世帯。全人口のうち外国人の割合が16%、高齢化率は25.5%。スキー観光業に携わる季節従業員が多く、スキーシーズンに人口の1割以上の人が増え、オフシーズンには減少するという特徴があります。

主要産業は農業、畜産業、観光業。農業は大根やジャガイモ、アスパラなど、畜産業は養豚業が有名です。観光施設のルスツリゾートは、夏はゴルフ場、遊園地、冬はスキー場のほか1年を通して様々なアトラクションが用意されており、ニセコ地域と並んでインバウンドが増加しています。

導入の背景

第9回スマート公共ラボ活用事例セミナー~留寿都村の事例~。導入の背景。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。

導入の目的は、新型コロナウイルスワクチン接種の予約受付を円滑に行うため。当時、16歳以上の全住民 約1,700人を対象とした保健事業の経験がなく、効果的な情報発信や円滑な予約受付の方法を模索するも、現状のマンパワー(保健担当事務職3人、保健師2人)では通常業務からコロナ対応、電話の予約受付までできないという課題がありました。

この課題を解決するため、SNSで最も多く利用されているLINEを導入して業務を効率化することを考えました。導入にあたっての条件は、住民が短時間で容易に予約できること、 住民が必要な情報を容易に取得できること、システムの運用が容易であること、長期間の利用を見据えて安価であることの4点。

令和3年1月にLINE株式会社が主催した「LINEワクチン接種予約システム説明会」にて、パートナー企業9社からシステム概要の説明を受け、留寿都村の人口規模で操作性、サービス内容、経費などの条件をクリアしたプレイネクストラボのシステム導入を決定。本稼働まで、留寿都村がイメージする運用方法を伝えて、ミーティングやメールでのやり取りを繰り返して形を作り上げました。担当者はデータ入力の規則の理解や、先を見越したレイアウト設定など、慣れるまで少し苦労していましたが、プレイネクストラボのサポートによって運用開始に至りました。

運用の状況

第9回スマート公共ラボ活用事例セミナー~留寿都村の事例~。運用の状況。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。

4月16日現在の運用状況として、友だち数881人、人口カバー率は45.6%。そのうち男性が54.1%、女性は45.2%。年齢構成比では世代間で大きな差はありません。現在ブロック数が約100件あることが課題だと感じています。

現在は保健医療課のみで運用しており、設定等の操作は保健師が実施。デモ環境で設定した内容を確認した上で、本番環境で運用しています。

予約受付を行う業務として、産後ケアや母親教室、乳幼児歯科検診、令和5年度には産前産後の保健事業に係るアンケートを実施。成人保険では集団健診(特定健診、がん健診)、個別健診(人間ドック)、乳がん・子宮がん検診の予約をLINEで受け付けています。

第9回スマート公共ラボ活用事例セミナー~留寿都村の事例~。運用の状況2。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。

ここ数ヶ月に実施した保健事業のLINEによる申込率は、乳幼児歯科健康診査83.3%、産後ケア100%、乳がん・子宮がん検診51.1%。年齢が若いほど電話等に比べてLINEでの申し込みが圧倒的に多く、職員の業務負担の軽減につながっています。乳がん・子宮がん検診は、LINEでの予約受付を開始した令和5年度から受診者が大幅に増え、特に20代、30代の新規受診者数が増加。LINEで情報が受け取りやすくなり、検診の案内が目につきやすくなったからだと考えています。

運用システムのデモストレーション

続いて、留寿都村で実際に運用している画面を共有して、システムを紹介していただきました。

ホーム画面の帳表タブから、予約受付をしている業務を確認可能。例えば集団健康診査では、社会保険に入っている方と、国保・後期高齢者医療保険に入っている方に分けられており、その下に個人を特定したい場合に使う検索画面があります。受診者の生年月日や性別、受診する項目を確認でき、予約の変更があった時にも対応できるシステムとなっています。

配信の画面では、セグメント配信を設定。健診の申込が間近になった時などにお知らせを配信できるようになっています。

帳表作成では、実際の申込画面を設定。必須の入力項目や選択式の入力項目を設定し、右側のプレビュー画面で、設定した内容がどのように表示されるのかを確認できます。デモ環境で動作確認をしてから本番環境に反映できる仕組み。

カレンダーは、予約枠を設定する画面。例えば子宮がん検診の場合、条件を設定して検索するとカレンダーが出てくるので、検診日に合わせて予約受付の時間枠を設定し、予約枠の人数を入力。分母である右側が設定した予約枠数、左側が実際の予約数として表示されます。

その他、統計情報では友達の数や属性、年齢区分、性別、地域を確認できるなど様々な機能がついていて、運用の課題を分析する際にも役立つシステムとなっています。

第9回スマート公共ラボ活用事例セミナー~留寿都村の事例~。運用の状況3。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。

導入後、ユーザーからは、操作が簡単で短時間で予約ができると大好評。電話にはない手軽さや、LINEから24時間予約できる点も好評です。

役場側は、電話対応が大幅に減少し、職員の負担が軽減。LINEに入力することで、受付名簿の基礎データが完成したり、タイムリーな情報発信ができたりという利点もあります。

コロナワクチンの予約は、予約期間が2週間あっても初日の午前中で半数程度が埋まることがほとんどで、もしLINEを導入していなければ、大きな混乱が生じていただろうと思います。摂取回数を重ねるごとに電話予約が減り、特に若年層はほとんど電話予約がありませんでした。現在使用している予約受付も基本的なレイアウトはコロナワクチンの予約と大きく変わらず、住民が操作に慣れているため、他の保健事業にもスムーズに活用できています。

課題と今後の展望

<課題>

・ブロック件数を抑えること

・機能を十分に使えていないこと

・効果的な情報発信

・保健事業以外への活用

今後は全庁的な運用体制の構築に向けて、運用方法や住民が必要とする情報の効果的な発信方法を検討していく予定。手続きをLINEで完結させられるように簡素化することも考えています。

住民の利便性を高めるうえでデジタル化は必須であり、有効に活用することで業務の効率化や職員の負担軽減につながります。留寿都村の取り組みが、これから導入を考えている町村の参考になれば幸いです。

QA

Q1)申込内容のデータは、どのような形で出力されるのかを知りたいです。もし、可能であれば実際のデータを見せていただけるととても参考になります。よろしくお願いします。

A1)プレイネクストラボの回答)先ほどの留寿都村の管理画面で見せていただいた通りにデータが表示されます。出力されるフォーマットはCSVで書き出しされます。

Q2)当サービスを利用されている住民の方からの声としては、どのようなものが多いか参考までに教えてください。

A2)留寿都村のご担当者様回答)大変便利だという声をいただいています。特に若い世代から、電話ではなくLINEで入力しながら申し込みできるという点で、非常に高い評価を得ています。時々申し込みの入力方法が分からないという相談がありますが、大きな苦情はないので、受け入れられているのかなと思っています。

Q3)担当課が複数にまたがり、かつ複数人いるのですが、アカウント管理機能と発行数の制限について教えてください。

A3)プレイネクストラボの回答)弊社のシステムは管理機能を有しています。発行数は、ユーザーの作成について特に制限がなく、追加料金不要でアカウントを発行できます。

Q4)メルマガも運用しているが、セグメント配信と併用可能か教えてください。可能な場合、どのような運用になるか教えてください。

Q4)プレイネクストラボの回答)メルマガとセグメント配信の併用は可能です。住民にメルマガで防災情報や指定情報を送っている場合は、帳表機能を使って情報受信希望のデータを取ります。弊社のシステムには、メルマガを LINEに転送する機能があるので、取得したセグメントごとに振り分けて配信する形になります。この配信は、メルマガから弊社のシステムにメールを受けた場合に、条件に従って自動で転送される仕組みです。

Q5)システムの操作研修は提供いただけますか?

A5)プレイネクストラボの回答)実際の構築の時に、操作説明会があります。運用開始後のサポートもあるので、ご活用いただければと思います。

Q6)操作マニュアルはありますか?

A6)プレイネクストラボの回答)はい。操作マニュアルをWebで用意していて、管理画面の右上からいつでもマニュアルを見られるようになっています。

Q7)LINEの申込受付について、検診項目ごとに人数枠の設定はできますか?

A7)留寿都村のご担当者様回答)検診項目ごとに人数枠の設定はできません。カレンダーと帳表で、検診項目ごとに分ければ、それごとに予約できるかと思います。

Q8)LINE入力することで、受付名簿の基礎データが完成するということですが、入力間違いや対象外の方がいた場合、どのように対処していますか?

A8留寿都村のご担当者様回答)留寿都村は人口が少ないこともあり、名前や生年月日がバッティングすることはないのですが、間違いがあれば修正します。電話番号の入力等もあるので、確認事項があれば電話で確認します。また、LINEの名簿に宛名番号を付番し、住民の宛名番号が付いた名簿をCSVで違う機械やシステムから吐き出して結合させ、正しい情報に書き換えています。

Q9)個別番号入力で個人のデータを自動反映して、住民の入力をサポートできますか?

A9)プレイネクストラボの回答)予め投入するデータのところに、個人番号に紐づく個人のデータがあれば一緒に投入しておくことで、ユーザーの入力の手間を省くことは可能かと思います。


次回イベントの参加にご興味ある方は、スマート公共ラボLINE公式アカウントにご登録いただき、新着情報をお待ちください。

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