【大分県 別府市】行政サービスのデジタル化を取材!LINEを活用したスマート公共ラボ電子申請の成功事例に迫る

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スマート公共ラボ活用事例。大分県別府市の事例。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。
大分県別府市庁舎前・企画戦略部 情報政策課 五十川 貴盛氏

住民の利便性向上と
職員の業務効率化を実現


最近、全国の自治体で導入が進んでいる「スマート公共ラボ for GovTechプログラム」によって、行政サービスの利便性が大幅に向上しています。そして特に注目されているのが、大分県別府市で2024年3月より運用が開始した、「スマート公共ラボ電子申請」です。住民は手元のスマートフォンから簡単に「住民票の写し」「戸籍謄本・抄本」「各種税証明」などの交付申請や手数料の支払いを行うことができ、すべての手続きをLINE上で完結できます。マイナンバーカードを読み取る公的個人認証にも対応しており、住民はもちろん、職員の業務負荷の軽減にもつながるサービスとして注目されています。

そこで今回は、別府市役所の五十川 貴盛さんにお話を伺い、スマート公共ラボ電子申請の導入決定から構築作業、そして運用開始後に解決された課題について詳しく聞きました。

別府市LINE公式アカウントの
電子申請メニュー


公的個人認証や決済機能を備えた
電子申請サービスの導入


―まず、所属されている部署名と、ご担当業務について教えていただけますか?

五十川さん:別府市役所で企画戦略部 情報政策課に所属しております。電子申請業務やLINE運用業務などを担当しています。


―では、別府市の特徴や魅力について教えてください

五十川さん:別府市は、緑豊かな山々や高原と波静かな別府湾に囲まれた美しい景観を誇り、大地から立ちのぼる「湯けむり」は別府を象徴する風景として、市民はもちろん観光客からも親しまれている、歴史と文化あふれる国際観光温泉文化都市です。別府八湯と呼ばれる8つの温泉エリアが点在し、毎分約10万2千リットルを湧出する温泉は、医療、浴用などの市民生活はもとより観光、産業などにも幅広く活用され、古くから日本を代表する温泉地として賑わっています。


―スマート公共ラボ電子申請を導入前、別府市で抱えていた主な課題や問題点を教えてください

五十川さん:別府市では、窓口しかできない行政手続きが多く存在しており、公的個人認証や決済機能を備えた独自の電子申請サービスの導入を検討していきました。


手軽さと利便性のよさで
友だち登録数の増加を期待


―導入を決定された理由や、その背景について教えてください

五十川さん:公的個人認証や決済機能を備えたサービスがLINE上で利用可能なことは、非常に大きな利便性を意味します。利用者は別のアプリケーションをインストールすることなく、LINE内ですべての手続きを完結させることができます。手続きの煩雑さを大幅に軽減し、利用者がより簡単に、そして迅速に必要なサービスを受けられるようになり、市民の利便性向上と窓口対応減少による職員負担軽減が図られることになります。

さらに、このようなサービスがLINE上で提供されることは、別府市のLINE公式アカウントの利用拡大にも繋がります。市民は日常的に使用しているLINEを通じて、行政サービスへのアクセスが格段に向上します。市民と行政のコミュニケーションがより密接になり、行政サービスの利用促進が期待されます。

LINE内で完結する電子申請


―導入を決定後、公開までの構築作業はスムーズでしたか? 良かった点や困難だった点を教えてください

五十川さん:当初の設計から要件定義の頻繁な変更により、開発業者への頻繁に変更依頼が必要となりました。そのため、さまざまな調整や対応が必要となるなど、柔軟な対応が求められました。しかしながら、課題を乗り越えて、予定されたリリース日までにプロジェクトを完成させることができた点は非常に良かったです。

また、特定の条件分岐に関しては内製での構築が難しく、開発業者の専門知識と協力が必要不可欠でした。開発業者は柔軟に対応していただき、良かったのですが、スピード感を持って構築するためには、標準機能、内製できるパーツ等を増やしていただくと更に満足度が高いサービスになっていくかと思います。


福祉分野でシステムを構築し
全庁的な良い事例になった


―導入されてから実際に活用されて、以前まで抱えていた課題や問題点は解決されましたか?

五十川さん:福祉分野で3つの業務の電子申請システムを構築できたことは、全庁的な推進のための良い事例となります。また、公的個人認証や決済機能を利用できる環境を整備できたことも、行政手続きの電子申請を推進する上で、必要なサービスと考えています。本サービスを利用することで、積極的に行政手続きの電子申請を推進することができるようになりました。

スマート公共ラボ活用事例。大分県別府市の事例。取材の様子。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。


―スマート公共ラボ電子申請を福祉の分野から活用された理由や反響を教えてください

五十川さん:理由としては、障害福祉課が電子申請の導入に前向きであり、障がいをもつ方が窓口に来る負担を減らすことを目指していたからです。この取り組みにより、障がい者やその家族が直面する物理的、精神的な負担を軽減し、より利用しやすいサービスを提供することを目指しました。

電子申請の導入後、サービスを開始した月には、すべての申請(窓口での申請を含む)のうち約1/4が電子申請で行われる手続きがありました。これは、電子申請の利便性とアクセシビリティの向上が顕著な効果をもたらし、利用者から好評を得たことを示しています。電子申請のさらなる推進と拡大に向けた大きな一歩となり、他の分野への応用も期待されています。


―ところで、プレイネクストラボのサポート体制は構築作業や運用を通じて、どのような印象お持ちですか?

五十川さん:プレイネクストラボさんのサポート体制については、非常に好印象です。構築作業や運用を通じて、開発や修正依頼などさまざまな要望に対しても、常に丁寧かつ柔軟に対応していただけます。このような細やかな対応は、プロジェクトを円滑に進める上で非常に心強い存在であり、緊密なサポートがあることで、多くの難題も乗り越えることができました。全体として、プレイネクストラボさんのサポート体制は信頼性が高く、どのような状況にも真摯に対応いただけるポテンシャルの高さを感じます。


―今後、スマート公共ラボ電子申請では、どのような新しい活用や展開を予定されていますか?

五十川さん:今後の新たな取り組みとして、粗大ごみの受付申請の構築を予定しています。市民がオンラインで簡単に粗大ごみの処理申請を行えることで、市民の利便性の向上だけでなく、行政の効率化も期待しています。このようなデジタル化の推進により、住民の方々はもちろん、職員にとってもよりスムーズで使いやすい公共サービスの提供を目指しています。

※ ※ ※

これまで行政サービスの利用に敷居の高さを感じていた方も、LINEを使った簡単操作で完了するスマート公共ラボ電子申請により、その印象が大きく変わりました。いそがしい日々を送る人でも、少しの空き時間に「住民票の写し」や「戸籍謄本・抄本」などの申請が手軽にできるため、多様なライフスタイルを持つ人々の支えとなっています。自治体の職員にとっても作業の効率化を実現し、業務負担の軽減により他の業務への注力が可能になるなど、プラスの効果をもたらしています。

スマート公共ラボ電子申請の導入をご検討中の自治体の方は、プレイネクストラボへお気軽にご相談ください。今回取材をさせていただいた別府市のように、全国の自治体でさまざまな課題を解決してきた経験豊富なスタッフが、あなたの課題に合わせた適切な解決策をご提案いたします。

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