【佐賀県鹿島市】構築期間はわずか2カ月!市民と職員双方の課題を解決する「てのひら市役所」の実現に向けて、デジタル変革が進む理由とは?

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スマート公共ラボ導入事例インタビュー。佐賀県鹿島市。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。
佐賀県鹿島市役所 庁舎


デジタル変革で
住民と職員の負荷が減少

佐賀県鹿島市はスマート公共ラボ with LINE GovTechプログラムを導入し、市民サービスに関する手続きの便利さを大幅に向上させました。ごみ収集に関する通知など、生活に密接した機能により、住民だけでなく職員も利便性の高さを実感されています。そこで今回、鹿島市役所DX推進室のご担当者に取材し、デジタル化を導入した背景や導入後の効果、さらには今後の展望について伺いました。自治体DXをご検討中の方にとって、導入や運用のヒントとなるはずです。


手続きのデジタル化で
解消される紙の手間


スマート公共ラボ導入事例インタビュー。佐賀県鹿島市。担当の一ノ瀬さん。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。
佐賀県鹿島市役所DX推進室 一ノ瀬 慶太氏


―まず、所属されている部署と、担当業務についてお聞かせいただけますか?

一ノ瀬さん:佐賀県鹿島市役所のDX推進室に所属しています。担当業務としては、主に自治体のDX推進に関わる全般を担当しています。また、DX推進室は、室長を含めて3人体制で、電算、機器の管理、 基幹系システム、ネットワーク等を担当する情報担当がいるのですが、その補佐も担当しています。


―鹿島市の特徴について教えてください

スマート公共ラボ導入事例インタビュー。佐賀県鹿島市。祐徳稲荷神社。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。
四季折々の花々も楽しめる祐徳稲荷神社


一ノ瀬さん:佐賀県の南西部に位置する鹿島市は、自然豊かな地域です。東側には有明海が広がり、西側には多良岳山系の山々に囲まれています。人口は約27,000人の市ですが、年間約300万人の参拝客が訪れる祐徳稲荷神社などの観光スポットがあります。また、2日間で約10万人が集まる「酒蔵ツーリズム」というイベントや、有明海の干潟をいかした「鹿島ガタリンピック」など、多くの観光資源が特徴です。


―LINEGovTechプログラムを導入前に、鹿島市で抱えていた課題とは?

一ノ瀬さん:導入前の状況としては、市民とのやり取りは文書や電話がほとんどでした。市民からは、「手続きが開庁時間内にしか行えず、繰り返し紙の書類に記入や押印して提出する手間が煩わしい」という声が多く寄せられていました。また、職員もこれらの要求に対応するために多くの時間を費やし、紙の申請書をチェックして入力する作業にも大幅な時間がかかっていました。これは市民と職員双方にとって大きな課題であり、特に私たちの自治体は、同じ人口規模を持つ他の自治体と比較して、126団体中6番目に少ないという職員数の中で、職員と市民双方が大きな負担を抱えている状況でした。


情報をピンポイントに
必要な住民に届けたい


―では、スマート公共ラボ with LINE GovTechプログラムの導入を決定された理由や背景は?

一ノ瀬さん:同じ人口規模の福岡県大川市さんが、スマート公共ラボ電子申請の導入を開始したという話を耳にしました。このシステムでは、公的個人認証がLINEを通じて完結し、個人情報の管理も簡単になるとのことでした。さらに、市民との接点も一元化するポータル的な形で、LINEを設けることで、利用者にとって分かりやすく便利なツールを提供することを検討しました。そこで、市民に浸透しているLINEをデジタル窓口として活用し、双方向のやりとりが実現したり、セグメントに応じた情報配信を可能にすることにより、市民にとって必要な情報が的確に届けられるようになる点に魅力を感じ、このシステムの採用を決めました。また、汎用性が高い点にも利点を感じました。


―導入を決定後、公開までの構築作業スムーズでしたか?

一ノ瀬さん:当初、令和6年度に実施したいと考えていた公式LINEの機能拡張ですが、補助金が利用可能になったため、第1段階として9月の補正予算で公式LINE構築の準備を進めることができました。このプロジェクトは、10月から約2ヶ月間の構築期間を経て、迅速に実装することができました。週に1度のWEBミーティングや日常的なコミュニケーションを通じて、私たちは「LoGoチャット」というプラットフォームを積極的に利用し、プレイネクストラボさまとの連携のもと、複数のグループを形成して庁内の職員や事務局と緊密にやり取りできました。チャットでやり取りさせていただける体制のため、緊密なコミュニケーションがとれたことも非常に心強かったです。


日常生活に役立つ
ごみ収集機能が好評


―いよいよ導入後、これまで抱えていた課題は解決しましたか?

スマート公共ラボ導入事例インタビュー。佐賀県鹿島市。鹿島市LINE公式アカウントの案内冊子。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。
広報紙などで友だち登録を促す


一ノ瀬さん:現在、確定申告の受付予約が開始され、さらに道路や河川の損傷報告などのサービスが実装されています。特に、休日や時間外のご利用が多いことから、これらのサービスが一定の効果をもたらしていることが感じられます。また、ごみ収集日に関する通知機能なども、カレンダーを見る必要がなくなるといった利便性の向上が評価されています。ただし、紙の申請や電話対応など、従来の方法に依存していた時期がまだ最近であるため、デジタル化の効果が明確になるには時間がかかるかもしれません。今後、友だち登録数や利用者を増やし、デジタル化を推進することで、市民と職員の双方にとってより良い環境が整うことを期待しています。

スマート公共ラボ導入事例インタビュー。佐賀県鹿島市。LINEアカウント画面。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。
スマート公共ラボ導入事例インタビュー。佐賀県鹿島市。LINEアカウント画面。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。

確定申告相談予約


スマート公共ラボ導入事例インタビュー。佐賀県鹿島市。ごみ分別機能の画面。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。
スマート公共ラボ導入事例インタビュー。佐賀県鹿島市。ごみ分別リマインド配信設定画面。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。

ごみ分別の検索や、ごみ収集日に関する通知機能の設定


スマート公共ラボ導入事例インタビュー。佐賀県鹿島市。損傷報告画面。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。
損傷報告


きめ細やかな問題共有と
長期的な視野を心がけた


―ところで、庁内の各課との連携がスムーズだったとのことですが、心がけていたことはございますか?

一ノ瀬さん:自分が他者の立場になり、各課の職員としての視点で考えてみますと、これまで紙や窓口、電話での対応だったところへ、新たにLINEによる対応方法が加わることで、業務が増えることになると感じるかもしれません。これがボトルネックになってしまうと思いまして、各課間での問題共有をしっかり行い、業務が楽になる方法や、10〜20年後という中長期的な視点でのアプローチを考えることが重要だと思いました。ですので、なるべく負担が少なく、負荷と感じられないような取り組みを意識しました。これには、職場での積極的な働きかけや、長期的に見て良い方向に進むような方法を話し合うことも含まれます。また、市長から「DXは市全体としての政策の柱である」と強調していただくこともありました。LINEに限らずDX関連では、マインドセットの研修やBPR(業務改革)プロジェクトの実施、生成AI(Chat GPT)の導入などもあり、DX関連の取り組みがスムーズに進んでいることが感じられます。


―LINEによる情報発信を活用されてから、住民や職員の方々から反響はいかがですか?

一ノ瀬さん:今日(2024年2月時点)で友だち登録者数が5,400人に達しまして、1ヶ月で1,910人の増加になります。地域の15歳以上の人口が約24,000人であることを考えると、現在5,400人が登録しているので、大体15歳以上の人口の5分の1が利用している状態です。ごみ収集に関する機能は特に好評で、例えば「毎月第1、第3水曜日はペットボトルの日」といった情報を簡単に把握できるようになりました。ほかにも、災害時の安全確保や防災行動の確認が容易になった点が高く評価されています。

スマート公共ラボ導入事例インタビュー。佐賀県鹿島市。防災、災害コンテンツ。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。
防災・災害タブ

さらに、サービスのリリース後に追加で、マイナンバーカードの受取・更新予約、住民票や印鑑証明書の時間外交付予約も、市民課主導で実装しました。記者会見では市長から「この1ヶ月で様々なサービスが向上し、今後も定期的なバージョンアップを通じて、さらにサービスを改善していきます」と話がありました。このような流れの中で、他の課の職員の機運も高まっていると感じています。公共施設の予約などの機能も実装されれば、さらに反響があるのではないかと期待しています。

スマート公共ラボ導入事例インタビュー。佐賀県鹿島市。各種サービス予約。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。
各種サービスの予約


―生活に欠かせない「ごみ収集」に関する機能で、利便性を実感されている方が多いのですね

一ノ瀬さん:特に好評なのがごみ収集日の事前通知ですが、ほかにも税務課による確定申告の受付相談予約が400件以上あっています。また、図書館の貸出予約機能もWEBサイトからのみ予約可能でしたが、現在ではLINEからでも行えるようになりました。この変更により、LINE公式アカウントを通じて市民と直接連携し、他のサービスへのリンクを統合でき、サービスの入り口を一つにすることで使いやすさが向上して、好評の声をいただいています。このような副産物的な効果もかなりございます。


―友だち登録を増やすための施策は、何か実施されていますか?

スマート公共ラボ導入事例インタビュー。佐賀県鹿島市。LINE公式アカウントのポスター。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。
可読性の高いデザインが採用されている


一ノ瀬さん:私たちはアナログな周知活動の重要性も認識しており、その一環として、市報掲載や窓口での案内だけではなく、ポスターやチラシなどを制作し、区長会や消防団で配布や説明を実施しました。また、行政機関では珍しく、コンビニや商業施設などにも掲示するなど、さまざまなアナログな方法でアプローチを行い、効果的な周知を図っています。


迅速な対応と
有益なフィードバックが役立つ


―プレイネクストラボのサポート体制ですが、構築や運用を通じて、どのような印象がございますか?

一ノ瀬さん:構築作業に関しては非常に分かりやすい説明と、手厚いサポートを受けたと感じており、質問等への迅速なレスポンスにも驚かされました。また、1月にリリースした後の運用サポートについても、マンスリーレポートによる分析などが非常に役立っています。さらに、何か問題が発生した際の対応もスムーズで、最近メールでのやり取りに変わったものの、引き続き迅速なレスポンスをいただき、非常に好印象を持っています。


―マンスリーレポートをもとに、次の施策を検討されるのですか?

一ノ瀬さん:そうですね、システムの構築がゴールではなく、「利用してもらう」「利用者を増やす」ということがゴールだと思うので、そのための分析として活用でき、かなり役立ってます。


―本日は貴重なお話をありがとうございました。最後に、新しい活用法など、今後の展望をお聞かせください

一ノ瀬さん:来年度に向けて電子申請機能の充実を図り、公的個人認証サービスをLINE上で完結させることや、決済機能の追加、施設予約機能の拡張などを予定しています。市民の皆様がより利用しやすいシステムになるように、随時バージョンアップを実施する予定です。鹿島市のビジョンは、市民が役所を訪れることなく、スマートフォン一台で必要な情報を得られ、様々な手続きが行える、まるで一人ひとりの手のひらの中に窓口があるかのような「てのひら市役所の実現」です。このビジョンに向けて、さらなる利用者増と住民サービス向上を目指して、デジタル変革を進めてまいります。

スマート公共ラボ導入事例インタビュー。佐賀県鹿島市。鹿島市の多良岳山。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。
雄大な多良岳山系の山々
スマート公共ラボ導入事例インタビュー。佐賀県鹿島市。鹿島市の地酒。スマート公共ラボは、LINE公式アカウントを活用し自治体業務のDXを実現できるサービス。広報のセグメント発信から、AIチャットボットを活用しごみ捨て情報など様々なお問合せをLINEで対応でき、また、コロナワクチン予約システムなどオンラインで各種申請、予約や、住民票のコピーなど決済まで完結できる電子申請など様々な自治体業務をデジタル化することができます。
良質な清水と米で育まれる地酒

紙ベースからデジタルへの移行による行政サービスの負荷軽減をはじめ、市民の生活の質を向上させるとともに、職員の作業効率を高める可能性がさらに広がっています。LINEの有効活用により、情報発信がより効率的で利便性の高いものになった自治体の現場が、垣間見えてくる取材でした。

ぜひ、自治体DX化や効率的な情報発信をご検討中の方は、プレイネクストラボまでお問い合わせください。弊社では全国の自治体に対して、豊富な経験を持つスタッフによる導入・運用サポートを提供しています。どのような些細なことでも大歓迎ですので、まずはお気軽にご相談ください。

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