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スマート公共ラボ for GovTechプログラムで
情報伝達の精度が向上
自治体が情報を住民に届ける手法について、全国的に変革が進んでおり、スマートフォンを活用した手段が積極的に取り入れられています。鳥取県鳥取市でも情報発信の精度を高めるため、「スマート公共ラボ for GovTechプログラム」を導入しました。
では、なぜ鳥取市がこのツールを選び、LINEによってどのように課題が解決され、住民とのコミュニケーションにどのような影響を与えたのでしょうか。今回、鳥取市役所 企画推進部秘書課広報室 主事 中村優斗氏に取材させていただき、LINEを活用することで住民の生活の質が向上するだけでなく、職員の業務効率が改善するヒントを伺い知ることができました。
コスト効率と先進機能が
導入の決め手になった
―まず、鳥取市の特徴について、簡単に教えていただけますか?
中村さん:鳥取市には、多くの観光客が訪れる鳥取砂丘をはじめ、世界初の全天候型で砂像を展示する「鳥取砂丘 砂の美術館」、世界ジオパークに認定されている山陰海岸ジオパークが有する豊かな自然に恵まれています。また、中核市移行とあわせて、周辺6町で形成した麒麟のまち圏域によるストーリーが日本遺産に認定されています。世界最大の傘踊りの記録を更新したこともある、伝統的なお祭りである鳥取しゃんしゃん祭は、令和6年に第60回記念大会として盛大に開催される予定です。
―LINE GovTechプログラムを導入前に、鳥取市として抱えていた課題を教えてください
中村さん:今までは全員に同じ情報を配信することしかできず、必要としていない人にも情報が届いていたため、徐々にブロック率が増えるようになる中で友だち追加を増やし、利用を促進することが課題でした。
―では、LINE GovTechプログラムの導入を決定された決め手は?
中村さん:いくつかの業者様から見積もりをいただくなかで、セグメント配信など必要とする機能が備わっており、また、都道府県初導入キャンペーンで、初期構築費と運用費が半年間無料であったのも大きな決め手でした。
―導入を決定されてから公開までの構築作業は、いかがでしたか?
中村さん:公式アカウントとスマート公共ラボの接続に関しては一任していたので特に問題はありませんでした。時間をかけたのは、セグメント配信とリッチメニューの項目設定です。またごみの日配信とごみの分別チャットボットは、担当課と協議しながら膨大な量のデータを作成するのにとても苦労しました。その中でも、鳥取市はごみ収集の地域が細かく分かれているため、大変な作業が想定されていましたが、1つずつ入力するのではなく、一括で取り込むシステムを導入していただいたので効率よく作業ができてよかったです。
便利な機能が生む
住民からの支持
―導入後、以前まで抱えていた課題や問題点は解決しましたか?
中村さん:セグメント配信機能により、カテゴリーに応じて配信する対象者を限定することができるようになったため、情報を必要とする人にのみ配信することができるようになりました。
―課題だった「ブロックされてしまう件数」も減少しますね。「ごみ分別」に関する機能も活用されていますが、効果や反響はいかがですか?
高齢者も調べやすい操作性
中村さん:単語をいれるだけで、すぐにそのごみの捨て方を教えてくれるため、ごみの出し方一覧から探すより早くとても便利だといった声をいただいています。また、「ごみの日配信」登録者には「今日は可燃ごみの収集日です」といったメッセージをごみの収集日当日に配信しており、「月1回しかない乾電池は出し忘れやすいのでとても助かっています」などのお声をいただいています。
―他にも「子育て・教育」「防災情報」「ふるさと納税」など多彩なメニューを設置されていますが、特に力を入れているメニューやコンテンツを教えてください
中村さん:リッチメニュー上部に表示しているトップバナーには鳥取市がその期間中、特に力を入れているキャンペーンなどを表示しています。その他、公式ウェブサイトのアクセス件数を分析して、特にアクセスが多い項目をメニューに配置しているので、欲しい情報が見つけやすいという声をいただいています。
友だち登録促進策が
住民の関心を集める
―ユニークな取り組みとして「つながろう鳥取市キャンペーンLINE謎解き」を実施されていますが、背景や反響を教えてください
中村さん:鳥取市LINE公式アカウントを多くの人へ周知するとともに、友だち登録者数の増加を推進する目的で、友だち登録者に占める割合が低い若者をメインターゲットに、若者に人気がある「謎解き」をLINE公式アカウントで実施しました。令和4年度実施のシーズン1、2では多くの方にご回答いただき、期間中友だち登録者数は6500人以上増加しました。
―かなり多くの方が友だち登録されたのですね! ほかにも、友だち登録を増やす施策は実施されていますか?
中村さん:マルシェや大型スーパーのイベントブースに出店し、友だち登録していただくと景品が当たるガラポン抽選会を開催しています。鳥取市LINE公式アカウントオリジナルグッズのマスク、うちわ、エコバッグなどを活用してPRしています。また鳥取市LINE公式アカウントをPRするチラシやポスター、動画等の広告物を作成し、テレビCMや市役所庁内モニターで放映したり、市報で特集を組んだりして周知しています。
迅速なサポートで
職員の業務効率を向上
―ところで、これまでに導入・運用をされてきた中で、プレイネクストラボが提供しているサポート体制はいかがですか?
中村さん:分からないことがあるとSlackアプリで質問をさせていただくのですが、レスポンスが非常に早く、また丁寧に教えてくださり満足しています。特に、令和4年度の謎解きシステム作成時はこちらのイメージになるべく近づけることができるよう、親身に相談に乗ってくださいました。Slackで伝わりづらい場面では、月に1回zoomで相談することもできるので安心感があります。
―本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。最後に、LINE GovTechプログラムに関する今後の展望を教えてください
中村さん:情報発信だけでなく、スタンプラリーやクーポン発行など、鳥取市のまち歩きが楽しくなるアイテムとしてご利用いただけるような運用ができたらいいと考えています。
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鳥取市での「スマート公共ラボ for GovTechプログラム」の導入は、セグメント配信機能等の活用により、必要な情報のみを選択して受け取っていただくことでブロックが減少するなど、多くの成果を得られました。今後も新たな活用法を実施することで、さまざまなメリットが期待されています。
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